Posts categorized "書籍・雑誌"

Sep 02, 2008

美術手帖2008年9月号「スタジオジブリのレイアウト術」

東京都現代美術館売店で見つけてびっくり。
現在開催中の「スタジオ・ジブリレイアウト展」の特集号です。
私のレイアウト展レビューはこちら

表紙を飾るはナウシカのレイアウト図、
懐かしいわ、実物二回も見てきたけど(^^;。
このタッチは金田さん、かな?

大塚康生(カリ城作画監督)、男鹿和雄(トトロ美術監督)、
奥井敦(ジブリ映像部技術部長)、近藤勝也(ポニョ作画監督)、
吉田昇(ポニョ美術監督)各氏へのインタビューと
レイアウトの説明に多くのページが割かれています。
レイアウト展を既に観てきた人も楽しめるし
これから観にいく人には書き込まれた専門用語の予習ができる内容ですね。

個人的には大塚さんが懐かしい!
「カリ城」の動きの楽しさはこの人あってこそ、でした。
昨年個展が開かれた男鹿さんへのインタビューも興味深い。
「トトロ」のレイアウトでは「精霊の守り人」の挿絵で知られる二木真希子さんが
活躍されたとあり、おおー(笑)。
メイが小トトロを追いかけるレイアウトは二木さんなんだって~。
ジブリのメインスタッフ以外では映画の美術監督として著名な種田陽平さんが
実写の世界から見たアニメーションの世界の魅力について語っておられます。
特集の後半では最新作「ポニョ」の制作の裏側が綴られています。

美術の専門誌でアニメ制作の裏側が取り上げられるのは
たぶんこれが初めてじゃないかな。
非常に珍しいことなのでしょうが、アニメ制作の工程を紹介し、
作品を支えながら陰に隠れがちなアニメーターたちの業績に
光をあてるこの特集はとても意義がある。
ディズニーのようにアニメーターを芸術家として扱うには
まだまだ道のりは遠いけれど、
この特集が一石を投じて欲しいと願います。


☆当ブログ スタジオジブリ関連展示会エントリ
「ジブリの絵職人 男鹿和雄展 トトロの森を描いた人」


☆当ブログ 宮崎駿・高畑勲映画エントリ
「パンダコパンダ」「パンダコパンダ 雨降りサーカス」
「さらば愛しきルパンよ」

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Aug 30, 2008

「ZOO1」乙一

「平面いぬ」の感想をエントリしたら
これをお勧めいただいたので
買ってきました。

wikiによると乙一氏には"白"と"黒"の面があり
この本は上手に両方を取り混ぜた短編集に仕上がっています。

双子なのになぜか自分だけ虐待される姉ヨーコを描いた「カザリとヨーコ」、
恐怖の密室に閉じ込められた姉と弟がそのからくりに気づいて
脱出を試みる「SEVEN ROOMS」。
「SO-far そ・ふぁー」は両親のケンカに心痛めた息子に起きる不思議な現象。
「陽だまりの詩(し)」は孤独な男が作ったロボットとの共同生活、
どこかちょっとアシモフを思わせるSF。
最後の「ZOO」は男の下に毎日送られてくる元恋人の死体写真、
それを元に犯人を捜し始めるが・・・物語は意外な結末へというお話。

どれもちょっと怖くて哀しい物語ですが、
共通しているのはどれも”はっきりした理由や原因”がないこと。
ホラーや推理物に欠かせないこの要素を排除しながら
作品を成立させたのは作者の力量でしょう。
読み終わったあとはなんともいえない読後感を感じることが出来ます。

私のイチオシは「SEVEN ROOMS」、
足元から這い上がってくるような恐怖の中に
哀しみや切なさをとりいれている秀作です。
少しグロイけどヴィジュアルで迫ってくるお話です。
「陽だまりの詩(し)」も静かな雰囲気と余韻がとてもいい。

この5編は2005年にオムニバス映画されて(実写&CG)DVDも出ています。
「SO-far そ・ふぁー」の息子役はあの神木隆之介君、
これは借りてこなきゃ(^^ヾ。




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Aug 25, 2008

Esquire10月号「SF再読。」

Esquire200810_3

「彼は決して大人にならず成長することをやめなかった」
アーサー・C・クラーク(自らが用意していたらしい墓碑銘) 68pより引用

「『ブレード・ランナー』は、サイエンス・フィクションとは何か、
今後は何が出来るのかについての私たちの認識に、
革命をもたらすだろう。」

フィリップ・K・ディック(同映画の制作中の映像を見てスタッフに贈った言葉)88pより引用

店頭で見かけ誌名と特集のギャップに一瞬躊躇したものの、
手にとってレジに向かいました。
かつては新しいジャンルだったSFが
時の流れと共に今は古典になった。
今年3月クラークが天に旅立ち、
アメリカの文学全集シリーズにディックが加わった今、
もう一度SFを読もうではないか、という特集です。

特集の軸となるのは冒頭に上げた言葉の主クラークとディック。
二人の代表作と共にその足跡を追っています。
コアなファンの方には「こんなの知ってるよー。」でしょうが、
私のような薄い(^^;)SFファンにはとても助かります。
折しも昨日まで開催されていた日本SF大会「DAICON7」では
宇宙作家クラブによるクラークを偲ぶシンポジウムも開催されていました。

この特集、俗に言う御三家(アシモフ、ハインライン、クラーク)ではなく
ディックを持ってきたのがいいですね。
近寄りがたく端正な美しさに満ちたクラーク、
猥雑で退廃ムード(個人的主観です、はい)なディックと
そして商業的映像化もクラークは少ないけれど、
ディックはハリウッドに愛されていくつも映像化され、
『ブレード・ランナー』は今も尚絶大な影響を及ぼし続けている。
てな具合に二人の巨匠はとても対照的だから。

元々ブラッドベリ好きなのもあって
この両作家はあまり読んでなかったから
この特集はとても嬉しい。
特にディックは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を
途中で挫折してしまい(映画を先に観たのが敗因か?)、
他の長編に手を出すのが怖かったんですよね。
短編は名前忘れたけど面白いのがあって
ディックは短編作家というイメージが今もあるし。
この特集をきっかけに両作家を読み込んでみよう。

この二人の記事以外には
年代別SF作品の紹介とか
新しいSF(ストレンジ・フィクション)の台頭とか、
(マイクル・コーニィの『ハローサマー、グッドバイ』他)
飛騨高山にあるSFX博物館?「留之助商店」の紹介などが
あります。
SF紹介の記事では若島正さんによる
「アルファベットの順に読む」という提案がいい。
AはアシモフのA~、BはブラッドベリのB~てな感じで。

SFをもう一度の人も
新しく読んでみようって人にもガイド用に最適な一冊です。

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Aug 14, 2008

「平面いぬ。」乙一

ナツイチで乙一読む盆休み(^^;。

駄洒落で始まった本日のエントリですが(汗)、
この乙一さん、その不思議なペンネームが耳に残るため
一度読んでみたかった作家さんです。公式サイトはこちら
17歳でデビュー、その後も作品を次々と発表、
現在進行形で活躍中の青年作家です。
著書のいくつかは映画化され、
ご本人も本名で映画のメガホンを取っておられます。
その映画の公式サイトはこちら
このブログでもたびたび取り上げる「攻殻機動隊」の押井守監督とは
姻戚関係(監督の娘さんが乙一さんの奥様)にあります。

ジャンルとしてはホラーですが
どこか切ない不思議な物語が4編収められています。
故郷の言い伝えに母の消息を求めた男を描いた「石ノ目」、
架空の人物がいつの間にか傍にいて確かな足跡を残す「はじめ」、
醜いぬいぐるみの切ない行動「BLUE」,
女子高生が弾みで入れた犬の刺青が騒動を巻き起こす表題作「平面いぬ。」。
どれもおもしろかった。

年齢不詳の文章だなってのが第一印象ですね。
落ち着いててシンプルな文体は大学時代に書いたとはちょっと信じられない。
行間からかもし出される幻想的な雰囲気がとても魅力的で
すらすらと読んでしまえる。
読みやすさという点では星新一作品にとても似ています。
ホラーは実写もアニメも小説もマンガも苦手なジャンルなのですが、
怖いというより幻想的なので抵抗ありませんでした。

夏といえば花火にホラー、暑くて何もする気がなれない日でも、
気軽に読めて不思議な読後感に包まれる一冊です。

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Jul 16, 2008

「ハロー・サマー、グッドバイ」マイクル・コーニイ

究極映像研究所のBPさんのオススメSF、
1975年作ですがこの度新訳で刊行されました。
かわいいカバー絵を本屋で見つけて買いました。
駅のカフェで、移動する電車の中でむさぼるように一気に読了。
瑞々しくそして痛いほどに青春が煌く傑作恋愛SFです。

舞台は地球ではなくある星系の惑星、
政府高官の息子ドローヴは夏休暇を過ごすため
両親と共に港町バラークシを訪れる。
毎年訪れるこの街にはドローヴが昨年から想いを寄せる
宿屋の娘ブラウンアイズがいた。
彼女との再会もつかの間、
ドローヴは戦争の影とその裏にある陰謀に巻き込まれていく。

初っ端から親たち大人への悪態てんこもり、
思春期にありがちな感受性ビンビンのドローヴの言動に
苦笑することしきり。
ドローヴのブラウンアイズへのもじもじそわそわな行動も
男性諸氏なら身に覚えがあるかも?(笑)
ドローヴが舟で遭難しかけたことをきっかけに知り合った子供たちと
探検を始めたことから一気に話が動き出す。
不思議な哺乳類たち、湖にうごめく怪物、
そしてこの季節にやってくる粘流<グルーム>などのSF要素が
見事に機能してストーリーをもりたてる。
滑らかなストーリーテリング、巧みに織り込んだ伏線が
どんでん返しのラストに導いていく。

夏と恋とSFは相性のいい組み合わせだけど
これほど見事に仕上げたのは作者の力量でしょう。
焼け付くような太陽の季節がやってくる今、
読むのにピッタリな一冊です。

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May 31, 2008

「人間椅子」江戸川乱歩ベストコレクション

Ningenisu_2

推理小説の巨匠が角川ホラーコレクションで新たにお目見えです。
第一弾はこの「人間椅子」。
表題作を含め耽美で狂気に彩られた短編が
8編収録されています。
柔らかい線で描かれた田島昭宇さんのカバーイラストが素晴らしい。


江戸川乱歩、ファーストネームが奇妙なこのペンネームは
アメリカの文豪エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)を
もじってつけられました。
ポーの描く恐怖が吸い込まれそうな闇とすれば、
乱歩のそれはじわじわとにじりよる生暖かさ、
かな。ホラーのジャンルに入ってもその個性は微妙に違います。

乱歩は日本の探偵小説を大きく進歩させた功労者でもあり、
星新一、大藪晴彦両氏をその慧眼により見出しています。
才能を見抜く目もあった方でした。

さてこの文庫本の表題作になった「人間椅子」は
耽美で妖しい一方的なラブストーリーです。
古い大きな椅子が家にある人はこれにぞーっとするでしょうね。
恐怖の頂点からスコン!と来るラストがいかにも乱歩です。
「目羅博士の不思議な犯罪」は乱歩風「モルグ街の殺人」?
「断崖」「妻に失恋した男」「お勢登場」は欲が生み出す犯罪が描かれ、、
「二廃人」(廃は古い漢字です)は理由のわからない復讐劇。
「鏡地獄」「押絵と旅する男」はある物への偏執的な愛がぞっとするような結末を呼ぶ。
どのお話も乱歩濃度100%です。

少年探偵団シリーズ以外の乱歩作品を読んだことのない人には
入門にピッタリです。

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May 30, 2008

「その日本語が毒になる! 」吉村 達也

Nihongodoku_2

本屋でタイトルが目に留まったので購入しました。
ネットでおきるトラブルから始まり
日本語の欠点と使ってはいけない「べからず集」を挟んで、
"クスリになる日本語”
について述べてあります。
大事な部分は太字で表記されてる辺り
参考書みたい、かな(笑)。

日本語について述べながら、
コミュニケーションスキルを伸ばそうとういう
作者の意図を感じます。
そうですね、端的に述べれば

「人と自分は違う」

ことから出発しようと。
そして人に対して発した毒の言葉は
回りまわって自分に返ってくるともあります。

またマスコミや企業や政治家の不祥事の際に使用される
????な言い回しについても論じてあります。
読みながら頷いたり「うっ(・・;)。」と思ったりしちゃいました(笑)。

平易な文章でさらっと読めます。
コミュニケーションスキルを養う本としてもよいでしょう。

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May 20, 2008

「ルポ 貧困大国アメリカ」堤 未果

中国の次はアメリカ、ってわけでもないですが、
タイトルが興味を惹いたので読んでみました。

感想を一言で表すならとアメリカでは

貧困発戦場行き

なのね、です。

低所得者を狙い撃ちしたサププライムローン、
患者と医師や病院を苦しめる医療保険の現実、
身を立てようとする若者を引きずりこむ奨学金ローン
そして巧みな勧誘で兵士を増やしていく軍のリクルート部隊

などなど実例を挙げて説明してあります。
そしてその裏にあるのは

アメリカンドリーム

という言葉が持つ甘い誘惑です
努力すれば幸せに立地になれる国という幻想の果てに待つのは
一歩間違えば逃れることの出来ない蟻地獄のような転落人生なのです。
日本でもワーキングプアが問題になっていますが、
この本によるとアメリカではそれ以上なのです。
医療や防災など全てが民営化に突き進む中肥え太るのは一部の人間と企業だけで
国民は皆喘いでいる。
3年前郵政民営化で大騒ぎしていた日本も
民営化の大合唱に隠れて通過した悪法に苦しめられている。
近い将来、日本がアメリカのようにならないとは言い切れないのです。

それでも作者は最後に一筋の明るい材料を提供し、
あとがきにこう書いています。

引用ここから============================================
この世界を動かす大資本はの力はあまりに大きく、
私たちの想像を超えている。(中略)
だが目を伏せて口をつぐんだ時私たちは始めて負けるのだ。
===========================================引用ここまで

無知や無関心が自らを追い込むことに警鐘を鳴らしています。
アメリカの現実を知ることで将来の日本を知ることが出来る本といえるでしょう。

余談ですが、この本を買った大型書店では通路を挟んで
3年前の郵政民営化騒動の主役が書いた本が置いてありました。
本を書く暇があるのなら、裏でこそこそ糸を引くのではなく
表に出てきてこの難局に立ち向かうのが政治家ではないのか。
趣味について語りたければ議員バッチを外してからでも遅くはないのにね。
3年前と同じように今もそのパフォーマンスには呆れるばかりです。

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May 16, 2008

「これが中国人だ!!-日本人が勘違いしている「中国人の思想」 」佐久 協

China080515

先月出版されたばかりの中国についての新書です。
煽るようなタイトルですが、中身は中国を牽引してきた
イデオロギーの歴史についての記述が殆どです。

日本とは古来からいろいろと行き来があるのにもかかわらず
私たちはほとんど中国のことを知らない。
靖国参拝でなぜあれだけ中国側が不快感を示すのかも
この本の最後に説明されています。

とはいえこの本を読めば中国が全部わかるってことではないです。
でも中国とはどういう国なのか漢民族とはどういう民族なのか
簡単でも良いから全体像をつかみたい人にはオススメです。

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May 14, 2008

「廃墟チェルノブイリ Revelations of Chernobyl 」

石の棺桶の中で悪魔はまだ蠢いている。
Chernobyl_2

本屋で見かけて思わず手に取りました。
世界を震撼させた1986年4月26日のチェルノブイリ事故
覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
この本は22年経ったチェルノブイリ原発の周辺とその内部を
世界で初めて撮影した写真集です。
手がけたのは写真、文ともに中筋純さん。

筆者は保護服をまといガイガーカウンターの数値におびえながら
原発内部を(許可された場所のみですが)撮影しています。
所内にちらばったものを手に取ろうとして通訳にさえぎられる場面は
背筋がゾーッっとします。
コンクリートで固められた事故現場には今も高濃度の放射能が残っており、
何人も立ち入れない場所になっています。
人が生み出した悪魔は22年経ってもまだ生き続けている。
たくさんの計器の写真が生々しい。

チェルノブイリ原発が存在する街プリピャチの様子も載っています。
当時高機能都市として開発が進んでいた街で
1986年のメーデーには遊園地が開園する予定がありました。
けれど開園5日前の事故が住民達の人生を変えてしまいます。
事故直後は事実隠蔽しようとしたソ連政府も隠し切れず
三日後に住民達は身の回りのものだけ持って脱出し二度と戻りませんでした。
誰にも乗ってもらえなかった汚れた観覧車が夕日の中に佇んでいる写真が
長い年月を何よりも物語っています。
それでも自然は確実に息づき動物達も出入りしている。
だけどそこでなるリンゴは毒リンゴと呼ばれ、
誰かの口に入ることはない事実があります。

筆者の中筋さんはこれまでにも多くの廃墟本を出されている方、
そのせいでしょうか死の街なのにどの写真もとても美しい。
最近多く出版されている廃墟本とは一線を画すこの写真集、
チェルノブイリの記録としても非常に価値があるでしょう。

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May 13, 2008

「日本のワイナリーに行こう 2009」

Nihonwinery2009_2

以前紹介したこの本の最新版です。

前回と比べると大きく取り上げるワイナリーが増えてますねー。
各ワイナリーの記事には畑の写真もしっかり載っています。
前回と紙の質が変っているのがやや気になりますが、
気合の入った編集姿勢は変っていません。
情報たっぷりでガイドブックとしても役に立つでしょう。
特集記事は九州のワイナリー、興味はあるけど遠いわ(^^;。
立ち上げて間がない小さなワイナリーも紹介されています。

シオンワイナリー(現時点ではネット販売のみ)山梨市牧丘町
ワイナリー・フェルミエ 新潟県新潟市
宝水ワイナリー 北海道岩見沢市

の3つ。
ブルゴーニュで新しい造り手が続々誕生しているように
日本でも少しずつワイン造りに入っていく人が増えている。
頑張ってほしいです。

ワイナリーの紹介以外にも勝沼ワイナリーズ倶楽部の20年に及ぶ歴史の記事や
オススメワインリストなどもバラエティ豊かな内容です。
気になったのは

塩尻ワインフェスタ

の記事!(昨年の開催要旨はこちら)。
参加費2200円でワイングラスを持って試飲ができるイベントです。
またスタンプカードもついており、駅周辺にあるワイナリーを回って
スタンプを貰えば抽選会へご招待っ!
関西人の私には「塩尻って何所?」ですが、
これは行ってみたいイベントですね。開催は10月の最終土日です。

本州のワイン産地といえばどうしても勝沼が前面に出てきますが、
長野県もワインでもりあげようという気運が強いようで、
ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー(玉村豊男さん)
でも10月にフェスティバルがあり、他のワイナリーもいろいろイベントがあります。

てな中身たっぷりの楽しい本ですが、
最後のあとがきには監修石井もと子さんより
読者へ感謝の言葉と共に苦言が記されています。

訪問の際にはワイナリーの都合を考慮してください。
(中略)
最低限のマナーを守ってください。

と。
このシリーズによりワイナリーへの訪問客が増えたけれど
中には・・・な方がいるようです。
実際私もワイナリーの試飲コーナーなどで
一杯飲み屋と勘違いしている客(主に年配の男性)を
何度も見かけたことがあります。
そういった一部のお客のせいでワイナリーへの訪問が不可能に
なるとしたらとても残念、自分も肝に銘じておこう(^^;。

ワインに興味がある人、ちょっとワイナリーに行ってみたいなって人には
オススメの本です。

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Apr 24, 2008

「甲州・ワイン列車殺人号」辻真先

タイトルに釣られて買ってしまった^^;。
トラベルライター・瓜生慎シリーズの1つです。
といっても私このシリーズは全く知らないんですよね^^;。
ジャンルとしてはトラベル・ミステリーになりますが、
この物語の主人公は瓜生真の息子である竜になっています。
著者の辻真先さんは脚本家として初期のアニメ界を支えた方、
その功績が称えられ昨年文化庁メディア芸術祭功労賞に輝きました。

さて小説の中身ですが、
竜は両親の留守にGFのうずらとデートを楽しんでいた。
そこへうずらの親友が殺人を犯したと連絡が入り、
物語は転がりだします。
そして雷雨の中、第二の殺人が『スーパーあずさ』の乗客の前で
発生してしまう。そして意外な結末へ。

軽く読めるジュブナイル風推理小説ですが、
淡々とした展開の中に社会への批判を込められているのが
辻さんの作品だなって気がします。。
いい意味で昭和的な作りかな。
ジュヴナイル風だなと思ったのは、
竜とうずらの目から見た大人の醜さがきっちり描かれているところ。
身勝手でだらしない大人が子供に不幸をもたらすあたりは
現代社会への痛烈な風刺と取れます。
そして事件の結末はなんともやるせない。

ただワイン列車と冠をつけているのに
ワインが横へ押しやられているのはちょっとなーですね。
ワイナリーが舞台になっているだけ。
ジュヴナイル風に書いたからかもしれないけどこの部分はかなり不満です。
あと舞台が山梨とあって地理が私にはぴんと来ませんでした。

でもミステリーとしては悪くない出来です。
長時間列車に乗るときに読むにはぴったりでしょう。
もちろんその列車が「スーパーあずさ」であればさらに文句なしshine

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Mar 31, 2008

「フリッタ・リンツ・ライフ」森 博嗣

今夏映画が公開の「スカイ・クロラ」シリーズ第4作目、です。
主人公はクリタ・ジンロウ、
前3作と同じように主人公の一人称で語られていきます。
そして前2作の主人公草薙水素(クサナギ・スイト)は彼の上司として登場し、
同僚の土岐野と共にクリタは毎日淡々と任務をこなす。
しかし亡同僚の元恋人サガラ・アオイ(相良亜緒衣)のある行動が
物語を大きく思いもかけない方向へ導いていく。

今回の主人公クリタは<キルドレ>でありながら
函南や草薙よりは体温が感じられる人間です。
娼婦の所に通いあるところへ隠れて行ったり
いい意味で生臭いというか(^^;。
草薙に対しては彼女の才能へ畏怖と憧れを抱いており、
かつて草薙がある人物に自らの憧れを向けたように、
クリタもまた草薙への複雑な感情を抱く。
けれど草薙の視線の先に誰がいるかは気づかない。
彼女の護衛として行動しながらその秘密に苦悩に何も出来ず
傍でその姿を見つめるのみ。

物語の華であるドッグファイトは終盤に登場しますが、
これまでがどこか恋愛めいた官能的表現だったのに比べ
もろ戦闘、という印象が強いです。
クリタが敵側のエースパイロット”黒猫”と繰り広げる戦闘は
スリリングで手に汗を握る描写で飛行機好きにはたまらないでしょう。
死をすりぬけて生へとたどり着くクライマックスは
そのまま「クレイドゥ・スカイ」へと続いていく。
どこか無常観を漂わせながらも美しいラストシーンは
これまでと同じです。

原作はこれで5巻中4巻を読了。
最後の「クレイドゥ・スカイ」も公開までに読んどかなきゃね。

さて先週TAFで大宣伝していた映画も
いよいよキャラクター&キャストの発表を待つだけとなりました。
すでにこんなところでも先日のプレス向け試写がレポートされてますが
記事の内容が・・・・。
草薙が

「おばさん娘」って、素子に似てるって、声は子供っぽくアンバランスって、

おいおい(^^;。
でも草薙が○○○ってのはもろネタバレになってますぞ>小原 篤さん。
トドメは


着陸する戦闘機を、
格納庫からバセットハウンドが出てきて迎えてくれます。

(当該サイトより引用)

やっぱり犬は出てくるんだ(爆)。

やっぱりいつもの押井映画になるのかしらsweat01
それならそれで楽しみですけど(爆)。

真面目な感想のつもりが最後はおちゃらけてしまいました~。
ごめんなさい~。

関連サイト
「スカイ・クロラ」アニメ公式サイト

☆当ブログ関連エントリ
押井守新作は「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」
「ナ・バ・テア」森 博嗣
「ダウン・ツ・ヘヴン」森 博嗣

東京国際アニメフェア2008(押井監督トークショーレポートあり)

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Jan 23, 2008

「へんないきもの三千里」

今度は小説で帰ってきた^^;。
Hennaikimonosannzenri_2

世界中にいるちょっと変った生き物を
軽妙な説明と詳細なイラストで紹介した
「へんないきもの」
「またまたへんないきもの」
の続編です。
冒頭に書いたとおり、この新作は小説仕立てて
サイズも一回り大きくなって分厚くなってのご登場です。

前回のような解説+イラストを期待してた方にはちょっと
肩透かしかな。でも軽妙な文章はそのままなので
読みやすいと思います。

しかしこのシリーズっていつまで続くんでしょうか。
DVDも出ましたしそのうち映画になったりして(爆)。

ブログ「へんないきもの」関連エントリ
「へんないきもの」DVD化^^;
「またまた へんないきもの」
エイリアンの干物 (「へんないきもの」レビュー)

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Jan 21, 2008

「夢の守り人」上橋菜穂子

数十年に一度、夢は人を誘う。

出版元の「守り人シリーズ」公式サイト(ネタバレ注意です)

上橋菜穂子さんの人気ファンタジー「守り人」シリーズの第3作目です。
第1作目の「精霊の守り人」は皇子チャグムと女用心棒バルサの物語で
昨年IG・神山監督の手によりアニメ化され高評価を得ました。
2作目は「闇の守り人」、
バルサが故郷へ戻り自らの運命に決着をつける物語でした。
そしてこの3作目では大呪術師トロガイの過去が明かされます。

物語はバルサが旅の途中、
人買いに追われる”リー・トゥ・ルエン(木霊の想い人)”である
歌い手ユグノの命を助けたことから始まります。
その頃バルサの幼馴染タンダは眠り続けたまま目覚めない姪の
治療に呼び出されており、ヨゴの宮でも一の妃が奇妙な病にかかっている
という噂が流れ始めていた。
宮でそんな噂話の合間にシュガからタンダたちの様子を聞かされたチャグムは
悲しくせつない想いに囚われ眠りに入ったまま目覚めなくなってしまう。。
そしてまた姪の命を救うため”魂抜け”を決行したタンダは
入り込んだ夢の中で魂を何者かに奪われてしまい身体は人鬼と化してしまう。
そこへバルサとユグノがやってきて事態は恐ろしい方向へと進展する。

てなお話です。以下ネタバレ。

アニメの11話でサヤがあることを嫌がって魂抜けするというネタ、
そしてトロガイがアニメ23話で漏らす「(子供は)3人生んだ」という事実も
このお話から引っ張ってきている様子。神山監督が映像化に際し
しっかり原作を読み込んでいたかが伺えます。

お話はバルサとタンダ中心に進みますが、裏にあるのはトロガイの過去。
彼女の母親としての悲しい過去が明らかになり
それが事態を収拾する鍵となっていきます。
そして子を手放す母の悲しみはバルサも同じ、
歌い手から聞かされた”新しい皇太子”の言葉に胸を痛めチャグムを想います。
また囚われた夢の中でチャグムと出会うタンダもまたチャグムを励まし
親としての愛情を告げる。
「血は繋がらなくても身分は違ってもお前を息子みたいに思っている」と。
このセリフにアニメ23話で3人で手をつなぎ歩く場面が目に浮かびました。

で、前2作よりもさらにファンタジー色が強くなっています。
夢のシーンや湖のほとりに立つ離宮の様子などは実にアニメ向きかも(笑)。
バルサとチャグムが湖のほとりで再会するシーンには少しほろっと来ました。
離れても又出会うのは二人の絆が強い証拠なのでしょうね。
バルサとタンダの強い絆もしっかり描かれていて
これからの二人の展開がとーっても期待できます(笑)。

「精霊」と「闇」と比べるといささか外伝的な気もしますが
このシリーズの特徴である”暖かな愛情”はしっかり描かれています。
他の上橋作品にもいえることですが。

以上レビューでした(^^ヾ。

関連エントリ

精霊の守り人アニメ公式サイト
NHKにんげんドキュメント「対話がアニメを作り出す~監督 神山健治~」
「精霊の守り人」上橋菜穂子(原作レビュー)
「闇の守り人」上橋菜穂子(原作レビュー)
「ユリイカ 特集上橋菜穂子 <守り人>がひらく世界」(雑誌の特集)


☆アニメ「精霊の守り人」レビュー
第1話感想(特番含む)、第2話感想第3話感想第4話感想第5話感想
第6話感想第7話感想第8話感想第9話感想第10話感想 第11話感想
第12話感想第13話感想第14話感想第15話感想第16話感想第17話感想
第18話感想第19話感想第20話感想第21話感想第22話感想第23話感想
第24話感想第25話感想第26話感想

アニメ関係リンク
MABBY'S EYE(バルサ役安藤麻吹さんのオフィシャルサイト)

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Dec 19, 2007

アニメーションノート No.8

アニメーションのメイキングマガジンです。発行元公式サイトはこちら

久々に買った理由は簡単。巻頭特集が

Production I.G

だったから(笑)。以下レビューです。

【特集 Production I.G】
トップはもちろん犬、じゃなかった(^^;押井守監督、です。
しかし内容は「イノセンス」を用いてその演出手法を紐解く、で
新作「スカイ・クロラ」ではないんですね~(^^;。

「イノセンス」を用いて3DCGとの融合をどう図ったか
などが映像と原画を用いて説明してあります。
またバトーが突入するシーンの原画が2枚掲載され、
「作画監督(沖浦さん?)がアニメーターを指定して描かせた。」とありますが、
そのアニメーターの名前を入れて欲しかった・・・>編集部。
ここによると大平さんらしいけど・・・。
尚、この「イノセンス」は今月地上波初放送されます。

で、なぜかジブリの鈴木Pとの対談が収録。
自分のことを「優秀ですよね!」とほざくのたまう鈴木Pに
「●○師としてはね(・・)」と心の中で思わず突っ込みましたわ、ええ。
ちなみに監督による評価は「半分はね。」でした。

「スカイ・クロラ」は件のポスターと解説のみ。
やっぱり来年のTAFまで出ないのかなぁ。残念。

以下、箇条書き。

「東京マーブルチョコレート」

塩谷監督及びメインスタッフのコメント&メイキングが掲載。
「IGって実は(リアル系だけじゃなくて)何でも出来るスタジオなんですよ~。」
という監督の言葉が印象的です。
IGが20周年記念であることと新しい東京タワーが建てられることから
発想が生まれ誕生した物語とのこと。
DVDはもう発売になっていますがふんわりとやさしいタッチの
男の子と女の子の物語は是非見てみたい。。キャラクターデザインは
人気少女漫画家の谷川史子さんです。

「ツバサTOKYO REVELATIONS」
人気アニメの東京編。メインスタッフのコメント&メイキング。
原画も掲載されています。ファンの方は必見?

「ユニバース」
歌手・声優・ミュージカル女優の坂本真綾さんのDVD用に制作されたショートフィルムです。かわいいキャラクターはクリエイターユニット「劇団イヌカレー」によるもの、
坂本さんご自身による起用でIGとのコラボが実現しました。
メイキングと原画、イメージスケッチなどが掲載され愛らしい小宇宙が再現されています。

「ゆめだまや奇談」
第5回アニマックス大賞受賞作をIGがアニメ化。
絵を見るのは初めてですがキャラデザがちょっと手塚風(^^;ですわ。
こちらもキャラデザや原画が掲載、色彩設定についても説明されています。

「石井克人×中澤一登対談」
タランティーノの「キル・ビル」アニメパートや
キリンレモンのCMを手がけられたコンビによる楽しい対談です。
制作裏話がいろいろ読めます。「キル・ビル」では絵コンテに困った、とか(笑)。

上記以外にもIGが外国向けに制作したCMやプロモアニメの紹介がありました。
国内向けとはちょっと違う雰囲気のものが多かったです。

IGと言えば押井・神山両監督がどうしてもクローズアップされ
他の監督や職人さんたちにはなかなかスポットが当たらない。
なのでこの特集はとてもよかったのではと思います。
今回神山監督がないのは残念ですがそのうち派手に次回作発表があるでしょう(笑)!

IG特集は以上です。ほかは↓。

【空の境界】
人気ノベルのアニメ化作品のメイキング。
12Pにわたって気合の入った記事になっています。

【女子アニメーションの世界】
新進気鋭の女性クリエイターさんたちの特集。
不思議な作風の方ばかりですねー。おー将来が楽しみ~。

ゲゲゲの鬼太郎×墓場の鬼太郎
貝澤監督(ゲゲゲ)と地岡監督(墓場)の対談。
対談の間に両作品のキャラデザが見開きで
見比べられるようになっているのが楽しい。
放映まであと一ヶ月の「墓場~」が私は楽しみです。

【モノノ怪】
オムニバスアニメ「怪~ayakashi」第3話「化猫」の続編。
実はこれ私大好きで何気にチャンネルを合わせてみたときはびっくりしました。
「な、なんなのよ、この妙に豪華な色彩のアニメは(^^;。」と(笑)。
で、この「モノノ怪」はまだ見ていないですがさらに絢爛豪華になっている様子。
作画監督・橋本敬史さんと美術監督・倉橋隆のコメントと背景画もしっかり収録。

【雨宮慶太】
NHKの少女アニメ「魔法少女隊アルス」の監督インタビュー。
イマドキの少女向けアニメってこうなっているんですね。

以上は主な特集。他はいつもの連載陣、でした。

このシリーズは地味な中身なのでいつまで続くかな~と思ってましたが
なんとか8号まで出ました。アニメ雑誌はあってメイキングマガジンは
少ないのでこれからも頑張っていただきたいです。

☆当ブログ関連記事
アニメーションノート NO.1
アニメーションノート NO.3
アニメーションノート NO.5

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Sep 02, 2007

廃墟憂愁~メランコリックな永遠(トーキングヘッズ叢書 No.25)

25
2005年に発刊されたクロスカルチャーマガジンです。
発行元のサイトはこちら、季刊でいろいろな特集を組まれています。
ベクシンスキーで検索していたらこの本がヒット、
内容が面白そうなのでぽちっとな、そして我が家へ。

実は私、大の「廃墟好き」でして(^^;、
勿論世界遺産に登録されるような遺跡も大好きです。
”かつての未来”が過去となってそこに存在する。
その感覚がなんともたまらないのです。
もし1億円が空から降ってきたら、
それを使って世界中の世界遺産や廃墟をめぐり巡ってみたいと
常々思っています。ってあるはずもないですが^^;。

さてこの本ですが、
廃墟をモチーフにした画家、作家、映画監督、写真家の紹介や
インタビューで構成されています。もちろんベクシンスキーもあり。
知らないクリエイターがほとんどなので新鮮な気分で読めました。

その中で興味を引いたのが以下のお二方。

中嶋莞爾  映画作家
公式サイトはこちら
1994年廃工場を舞台にした映画「はがね」で一躍脚光を浴びました。
セリフを極力排し、映像美で語る映画とか。
そして本書では廃墟についてこう語っておられます。
「自然とテクノロジーの融合、それが廃墟の醍醐味なんです」
(本書 p59のインタビューより引用)
上記の公式サイトには作品に出てくる絵本(ご本人が制作)も
載っていてなんだかぞくぞくする雰囲気。
うん、この映画是非見てみたいです。
現在は「クローン人間が故郷に帰る日(仮題)」を製作中。

作場知生 デザイナー&ゲームクリエイター
ご本人の公式サイトはこちら
本書に載っていた”機械仕掛けの胎児”イラストに惹かれました。
「一体これは何?」かと思ったら、ゲーム「GARAGE(ガラージュ)」の
パッケージイラストで、ネットで探すと公式サイトがありました。
どうもこの”胎児”は主人公らしい・・・。
サイトにはゲーム内の映像も載っています。
少し大友克洋っぽい雰囲気の絵ですね。
本書のインタビューによると東京の下町生まれとのこと、
確かに彼のイラストにはどこかそんな雰囲気があります。

他には現代美術作家のやなぎみわさんの寓話についての記事あり。
本書を買うきっかけになったベクシンスキーについては
「写真と絵画の狭間の廃墟嗜好」というエッセイが載っています。
ベクシンスキーと写真家野波浩を対比させた内容でなかなかおもしろい。
尚、野波さんの公式サイトはこちら
ギャラリーの幻想的かつ妖しいな女性写真が目に留まります。

他には廃墟をテーマにした写真集や小説の紹介があります。
内容もいいし廃墟好きの方なら手元においてもいいかも^^。

当ブログ関連記事
画集「ベクシンスキー」(2007/7/27)

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Aug 16, 2007

「不道徳教育講座」三島由紀夫

暑さボケの頭に刺激を与えてくれる抱腹絶倒のエッセイ集

ちょっと気の利いたおもしろい本でもあれば、と思い
入った近所の本屋で見つけました。
タイトルと著者の名前のアンバランスに惹かれて即お買い上げ。

約30年前、「週間明星」に連載されたエッセイをまとめた本ですが、
内容は(当時の固有名詞を除けば)現代でも十分通用します。
読んでいて

「うっ(^^;。」
「くすっ(^^)。」
「うーん(~~;。」
「そうだよな~(・・)。」

の連続(笑)。
何より各章の標題が

「大いにウソをつくべし」
「約束を守るなかれ」
「罪は人になすりつけるべし」
「人の恩は忘れるべし」

といった一瞬目を疑うものばかりなんですよね。
内容は至って真面目な人間分析なんですが、
タイトルでひっかけておいて読ませ最後に感心させる。
各章読み終わる毎に「あ~やられた(笑)」です。

三島作品といえば、神山監督の「攻殻機動隊S.A.C.2nd GIG」のモチーフとなった
「近代能楽集」しか読んでおらず(クゼの精神面のモデル?)、
この作品から受ける三島のイメージは優雅で耽美でした。
美しいけれど完璧すぎて近寄りがたいというか。
でもこのエッセイ集は違います。全く正反対。
三島ってこんなにおもしろい人だったのね~、です(笑)。
でも根底に流れる人間への眼差しの鋭さは同じ。
作家・三島由紀夫の奥深さを感じさせます。

ここ数年再評価されつつある三島、
興味はあるものの絢爛豪華な作品はちょっと・・・というい方にオススメ。
読んでいて目から鱗が落ちる快感、是非とも味わってみてください^^。

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Jul 27, 2007

画集「ベクシンスキー」

Beksinsuki_3

BPさんの究極映像研究所で紹介されていた
ポーランドの画家ベクシンスキーの画集「ベクシンスキー」
とてもおもしろそうだったので、
「男鹿和雄展」(レビューはこちら)のついでに
東京都現代美術館内の美術図書室にて閲覧してきました。
日本で唯一出版されたもので解説は永瀬唯さん。


以下この画家の説明と本の感想。
『 』内は永瀬唯さんの序文からの引用です。

ベクシンスキーはポーランド生まれの孤高の画家。
建築科で学んだ後は工事現場監督(本人によると”処刑場の奴隷監督”)として
働き、並行して写真、彫刻、絵画を学びました。
一貫して『ディスフィギュアド・ボディ(損壊される身体)』をモチーフとし、
多くの衝撃的で退廃とエロスに満ちた作品を数多く創作しました。
そして人嫌いで知られたこの画家は、刺殺体で発見されるという
その多くの作品と同じように衝撃的な最後を遂げました。

彼の絵には骸骨人間や不気味な生き物や建物が多く登場します。
女性が思わず嫌悪感を抱くような描写もあります。
絵の多くは暗くよどんだ色調のものなので、
人によってはかなりの拒否反応を示すでしょう。
けれど彼が生まれ育った国の過酷な歴史を思い浮かべれば
この画風も納得がいきます。

さてこの本ですがA4オールカラーで絵は57枚。意外に小さくちょっと拍子抜け。
4000円という値段は高く感じますが、
マイナーで一般受けしない作風を考えるとこの値段は仕方ないかもしれません。
といってももうオークションでしか手に入らなさそうです^^;。

冒頭の永瀬さんによる文ではベクシンスキーの生い立ちから
その創作の秘密について述べられています。
これがなかなかの読み応えで面白かった。
引用すると、

『ベクシンスキーの創作の秘密は、夢または、白昼の、心に浮かんだ心象風景の一瞬の記憶をボードの上に固定することにある。』

で、けれど夢の内容はすぐに忘れるため

『自己の内部のメモリーバンクから表出すべき感情と代替する要素部を引き出し空白を埋めていく』

だったそうです。このメモリーバンクという言い方に痺れます。

夢を形にする手法としてシュールレアリスムがありますが、
永瀬さんはベクスンスキーの創作がこれと出発点は同じとしながら、

『物語の過剰性、マニエリスム絵画に似た空白への嫌悪という点で、ベクシンスキーの方法論はシュールレアリスムとは根本から異なる。夢を形にするための、彼のメモリーバンクに含まれるものはギーガーら現代の絵描きたちではなくボッシュから始まり、ターナー、ベックリン、クリムトにいたるアレゴリーとシンボリズムの作家である。』

と述べておられます。
これは超意外でした・・・・・・・・・・。ギーガーと同系列じゃないんだ。
ボッシュはわかるけど。
ターナー、、、あ、あの黄色い色合いはターナーの絵に似てますね。確かに。
クリムトは・・・耽美な雰囲気と空白を絵の具で埋めてしまう点が同じか。
ベックリンはこの人?だとしたら雰囲気は似てる。

それではいかに印象に残った絵の感想をば。
尚作品番号はこの本の中のみのものです。
ポーランドのサイトにて画像があったものには
リンクを貼っておきますが、
怪奇でグロテスクな俗に言う一見気持ちの悪い絵がほとんどなので
人によっては気分が悪くなるかもしれません。
ですので、ご覧になる場合は自己責任にてお願い致します(^^;。

作品3:1974
石壁の上に座る青いマントの人物(顔は見えない)。
人物の前には書台があり、石壁の右上には吊るされた人物(顔を鳥に食べられている)。
壁には「IN HOC SIGNO VINCES」の文字(何の意味?)

作品5:1976
赤い林の前に骸骨の馬にまたがった骸骨に近い全裸の長髪の女。
その腹の前には真っ白な幼児を抱いている。上部には舞い散る赤い木の葉。
燃え盛る街に取り残された母子?

作品10:1978
女の髪で作ったような建物。内部の青が吸い込まれそうに美しい。

作品11:1978
作品10とよく似た絵。夜に染まる不思議な建物。幻想的な雰囲気。

作品12:1978
青い海に象形文字の砂浜。黄色い空には黒い三日月。
エジプトを思わせる絵。一番のお気に入り。

作品18:1984
抱き合う骸骨に近い全裸の男女?戦争の犠牲者か。

作品27:1980
巨大な顔の形をした建造物。

作品40:1985
海面のような海、重苦しい雲がたちこめている。

貸し出し不可なので本が手元にないのが残念ですが、
画集の3分の1を占めるのが骸骨のような人や建物の絵だったと
記憶してます。
私個人としてはモノトーンに赤や青を効かせた絵が気に入りました。
また画集のほうがサイトより発色がきれいな感じがしました。

この画集を閲覧した東京都現代美術館の図書室は
ちょっとおもしろいところです。
日テレ関係とあって宮崎駿監督の絵コンテ本や
アニメーション関係の図書もおいてあります。珍しいでしょ?
ただ残念ながらすべての図書が閲覧のみで貸し出しは不可能です。
行ったついでに利用するにはとてもよい場所でした^^。
ご興味のある方は一度行ってみてはいかがでしょうか。

関連リンク
BPさんの究極映像研究所のエントリ
ポーランド現代絵画孤高の巨人 ズジスワフ・ベクシンスキー:Zdzilsaw Beksinski
ズジスワフ・ベクシンスキー 画集 『ファンタスティック・アート・オブ・ベクシンスキー』Zdzilsaw Beksinski  "The Fantastic Art of Beksinski"

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Jul 04, 2007

「ダウン・ツ・ヘヴン」森 博嗣

「スカイ・クロラ」原作シリーズ第3弾、です。表紙はこちら
前2作に続いて読み終わりました。
以下少々ネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。

「ナ・バ・テア」から少し後の物語で
中尉になった草薙を中心に話は進みます。
任務中に負傷、病院へ強制入院させられた草薙の前に
不思議な少年が現れる。
そして無事退院後、ある任務に向かった草薙を待っていたものは・・・。

今回も草薙の一人称で綴られています。
広告塔としての自分の立場に窮屈さを覚え、
それゆえ空から遠ざけられるのではないかと不安に駆られ、
周囲の思惑に振り回されて傷つき悔し涙を流す。
純粋であることは研ぎ澄まされたナイフのように
他人を傷つける以上に自分を鋭く傷つけてしまう。
そんな草薙の様子に共感する人は多いでしょう。
とはいえ前作では痛いほどに誰も近づけず近づかなかった草薙も、
少し柔らかくなったのか身近な人にははしゃいで笑顔を見せる。
この辺り、読んでてほっとしました。

前半は淡々と病院での出来事が綴られ静かな展開ですが、
後半は一転激しい展開へ突入します。
クライマックスで、もつれ合うように空に墜ちていく、
一瞬だけ男と女だった二人のドッグファイトは、
まるで何かの代替行為のよう。
出てくる文章も単語も前作とはそう変わっていないのに、
なぜだか行間に官能的な美しさがあるように感じました。
押井にアニメ化のオファーが行ったのは
もしかしてこの3作目が理由かな?などと思ってしまう。
似てるんですよね~、あの押井作品の彼と彼女に。

原作シリーズも残り2作、頑張って読まなくてはp(・・)q。


関連サイト
「スカイ・クロラ」アニメ公式サイト

☆当ブログ関連エントリ
押井守新作は「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」
「ナ・バ・テア」森 博嗣

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Jun 27, 2007

「ナ・バ・テア」森博嗣

日々繰り返される生と死の空中ダンス、
あの焦げついた夜の出来事が”僕”だけを置き去りにしていく。

「スカイ・クロラ」のヒロイン草薙の物語、「ナ・バ・テア None But Air」

先だってアニメ化が発表された「スカイ・クロラ」の原作シリーズ第2弾です。
続編ではありますが、時系列的にはぐっと遡り
草薙がまだ一パイロットだったころのお話になっています。
少々ネタバレも含みますのでこれからお読みになる方は以下ご注意ください。

「スカイ・クロラ」と同じく一人称で綴られる文章は簡潔で美しく、
ドッグファイトの描写もさらに磨きがかかってます。
そして「スカイ・クロラ」アニメ化に関して押井監督が述べた

「恋愛とは、出会って深みにはまった所から始まるのであって、どう恋愛の落としどころを表現するのかということですよね。恋愛は行く末を描かなければ、恋愛を描いたことになりません」(公式サイトレポートより引用)

が実に良くわかる物語です(苦笑)。そう、恋愛要素がしっかり入っている。
「ナ・バ・テア」の要素を映画に入れ込むかは現時点では不明ですが、
草薙の重要な過去話なので是非とも入れてほしいですね。
そのせいか作品中に流れる空気は透明だけれど
ハードカバーの装丁のようにどこかたそがれてる気がしました。

物語の軸となるのは草薙と天才パイロット”ティーチャ”の関係、
草薙のティーチャへの感情がうねっていく様が丁寧に描かれてます。
その気持ちが最高潮に達するのが本編に出てくる

彼になら、撃ち落されてもいい。
そう願った
「ナ・バ・テア」本文p259(ハードカバー)

のくだり。
新型飛行機のテストパイロットとして飛ぶ草薙と
その撮影のためカメラマンを乗せたティーチャが
繰り広げるドッグファイトの1シーンです。
ここが一番好きですね。
目標とする相手を打ち負かしたい、
でも彼にならやられても本望、
そんな高揚感が伝わってくる。
けれどその後あることからティーチャが取った行動は・・・。

「スカイ・クロラ」の透明な空気が気に入った方なら
たぶんこの物語も気に入るでしょう。
ラストはしっかりと続編「ダウン・ツ・ヘヴン」に繋がって
希望を持たせてくれます。

関連サイト
「スカイ・クロラ」公式サイト

☆当ブログ関連エントリ
押井守新作は「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」

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Jun 06, 2007

「ゲドを読む」

アニメ「ゲド戦記」DVD販促のフリーペーパーです。
公式サイトはこちら
本日から配布ってことで買い物ついでに貰ってきました。
色は
Gedowoyomu

です。
中身は3部構成。
第一部は原作の紹介。
中沢新一さんの手によるものです。
ル=グウィン女史の生い立ちからシリーズ前作のあらすじに
ついてわかりやすい文章で述べてあってなかなかよいです^^。

第二部は「ゲド戦記」原作からの言葉の抜粋。
原作は未読ですが含蓄のあるお言葉に納得^^;。

第三部はアニメの公開前後(もっと前のもありますが)に他紙に
発表された「ゲド戦記論」が転載されています。
ここの最後には河合隼雄氏と監督の対談(これも転載)。

ま、フリーペーパーだしこんなものかな。
でも宮崎駿監督のコメントが20年近いものでたった3行ってのはねぇ^^;。
外部の方々はともかく、同じスタジオの人なんだからコメントは
取り直すべきだったと思います。大人の事情なのかしら。

これと連動してなのか今月の「ダ・ヴィンチ」にも
「ゲド戦記」の特集が載ってます。
巻ごとの原作のあらすじ、監督のインタビュー等が掲載され
当然このフリーペーパーの広告もありました。
さすが鈴木P、メディア戦略も怠らないようです。

配布先は公式サイトのこちらでご確認ください。
「無料で手渡し」とありますが、要は

「レジに申し出ないともらえない。」

のでご注意ください。
ちなみに一人一冊限定です。

このキャンペーン、ジブリは自信満々みたいだけど、
配布してるローソンではあまりやる気なさそうでしたね^^;。
店内にはDVDの宣伝ポスターが貼ってあり
このフリーペーパーの予告も下に入ってたけど、
店先やレジ前に案内のPOPがあるわけでもない。
私が行ったローソンだけかな?

110万部発行との事ですが、場所によってはすぐなくなるかもしれません。
欲しい方はお早めに。

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May 30, 2007

「ユリイカ 特集上橋菜穂子 <守り人>がひらく世界」

出版は青土社。出版社公式サイトはこちらへ。

NHKBS2で放送中の「精霊の守り人」原作者上橋さんの特集号です。
発売前日に気づき慌ててぽちっとな(笑)。今日届きました。

上橋さんの特集といいながら、
表紙を飾るのはアニメ版「精霊」第1話のバルサ(笑)。
はい、もちろん神山監督のインタビュー入りです。

まだ一部を見ただけですがかなりの充実ぶり。
でも記事によってはネタバレもありそうな雰囲気なので
「守り人シリーズ」を読破していない方は注意されたほうがいいでしょう。

取り急ぎ

『ラフラ<賭事師> 守り人シリーズ外伝』上橋菜穂子

『「現実」を問い直すためのファンタジー』
神山健治監督インタビュー

「異界と守り人」小谷真理


は読みました。
外伝は在りし日のジグロと13歳のバルサが登場します。
ジグロがバルサを鍛えるシーンは迫力満点。
アニメ第3話での殺陣がぱぱっと頭に浮かんじゃいました^^。

そして監督インタビュー、聞き手はなんと小谷真理さん!
いつかはやって欲しかった顔合わせに大感激(^0^)。
#「ユリイカ 攻殻S.A.C.特集」