空の上はNone But Air。
Down to Heavenから始まる永遠の子供達<キルドレ>の寓話。
制作発表から1年とちょっと、
ようやく公開となった押井監督「スカイ・クロラ」を
初日舞台挨拶付の回で観てきました。
作品公式サイトはこちら。
以下、ネタバレなしレビューです。
感想を一言で、いや借りて言うと(笑)
「森博嗣という器に押井守という素材が見事に盛り付けられている」
(公式サイト:京極夏彦さんのコメントより)
です。でもってきちんと「映画」してます。
派手な空中戦が売りのようで
キルドレたちの淡々とした地上での日常を
だれずに緊張感を持って描いている。
全体的には男女の機微描写が一歩進んで
繊細なラブストーリーとして観られます。
草薙のある行動をきっかけに話が大きく動きますが、
同時にキルドレの謎も明らかになってクライマックスへ。
でも前半は淡々とした展開なので過剰な演出に慣れた人には
展開や物語が物足りなく感じるかも。
テイストとしては過去の押井作品なら「パト2」(恋愛部分が)、
実写でいえば・・・丁寧な描写が「かもめ食堂」っぽい。
作画は井上鋭、本田雄、井上俊之、うつのみやを始めとする
(IGからは黄瀬&後藤)アニメーターたちが頑張ってます。
ゆっくりとした細かな芝居、アニメーター達は大変だったでしょう。
作画アニメともいえる見事な仕上がりです。
でも人材不足が叫ばれるこの業界、どこまでこのレベルが保てるか
今後心配ではありますが・・・。
そうそう、
犬はかわいかった(爆)。
2D作画に対するCGも文句なし。
青い空でパイロット達が繰り広げる生と死のダンスを
林弘幸率いるポリゴン・ピクチャーズが見事に視覚化、
スピード感溢れる映像に仕上がってます。
オープニングタイトルバックは空に融けていくような感じで
メインスタッフの名前が次々と出てきますが、
最後の監督の名前にちょっと注目してみてください。
余談ですが、パンフレットにある飛行機のデザインを巡って
宮崎駿監督「押井さんは何もわかってない。(以下略)」
押井監督「宮さんは何もわかっていない。(以下略)」
てなやりとりがあったそうな(笑)。
ポニョもこの映画も日テレがらみなんだし、
飛行機に関する両監督の対談など企画してほしいですわ(大笑)。
心配してたメインキャストは問題なしで全員安定してます。
でもって脇を固める榊原さんはさすがさすがの演技力。
メインキャストについては交信のシーンで
「あー、だからかー」と納得しましたよ(聴けばわかります)。
4人の中では谷原さんがいい味出してますねー。
栗原さんの三ツ矢は私のイメージとは違ったけど
エキセントリックなキャラに声はちゃんとあっていました。
観終わった感想としては決して派手ではないむしろ地味な映画です。
原作を上手に生かして押井色にきれいにまとめあげてる。
長年の押井ファンで原作を読んだ身としては満足な出来です。
ただ「アニメーションは楽しいもの」という考えの人は
全体に流れる雰囲気はちょっと苦しいでしょうね。
今日が初日なのでネタバレは控えましたが、
これからご覧になる方は
館内が明るくなるまで席を立たない
ようになさってくださいね~。
さて映画を観た後には監督、菊池さん、加瀬さん、作画監督西尾さんの
舞台挨拶がありました。
西尾さんは「監督がTVに出てるの観てニヤニヤしてました。」(笑)。
監督の「悪夢のような長いキャンペーンも終って」で場内はくすくす。
先月の「攻殻2.0」の時より神妙な顔つきでした(笑)。
最後はフォトセッションでお開き。
映画そのものは森&押井ワールドなので
評価が分かれるかな、という気もします。
でも今までの押井作品と違いシンプルで艶っぽい仕上がりは
なかなかのもの。今後の作品にも影響してくるでしょうね。
なんとか次につなげてほしいです。
以上、レビューでした。
2008/8/12追記====================
関連サイト
「スカイ・クロラ」アニメ公式サイト
☆当ブログ関連エントリ
押井守新作は「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」(原作レビューあり)
「ナ・バ・テア」森 博嗣
「ダウン・ツ・ヘヴン」森 博嗣
「フリッタ・リンツ・ライフ」森 博嗣
東京国際アニメフェア2008(押井監督トークショーレポートあり)
2008/8/19追記=====================
WEBアニメスタイルにキャラクターデザイナー&作画監督の西尾さんへの
インタビュー掲載。笑えます(苦笑)。