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Nov 14, 2012

「小説009 RE:CYBORG」

「009 RE:CYBORG」の監督自身によるノベライズ版です。
ちなみに映画のネタバレも含んでますので
未見の方はお気をつけください。

映画の空白の部分埋めるのに役に立つ一冊、
登場人物の感情を映画よりも細かくしっかり描いてて
再結集までに揺れ動く各メンバーと博士の苦悩は
「だよな~だよな~」と思いながら読みました。
中でもジョーとフランソワーズの関係については
映画と同じく大胆に踏み込んでます。

原作ではなんとなーく公認で曖昧な関係の二人、
今までのアニメ版もそれを踏襲してました。
フランソワーズからのジョーへの想いは語られても
ジョーが実際彼女をどう思っているのかはっきりしてなかった。
映画でも序盤はやっぱりフランソワーズから、ですし。
しかしこのノベライズでは終盤でトモエの正体を明かすことで
ジョーの気持ちをはっきりさせてます。

心情をその当事者自身からではなく他の何かで現す。
かつて神山監督が(『攻殻S.A.C.』で用いた手法が
この作品でもしっかりとラブストーリー面を盛り上げてる。
互いを想いながらもすれ違ってしまった『攻殻S.A.C.2ndGIG』の2人を
ダブらせながら読んでしまった。

「女の子は毎日のように男の子に逢いに来たわ。」
 (「草迷宮」『攻殻S.A.C.2ndGIG』11話)

3年毎の記憶リセット(正確に封じ込め)のため
ジョーと定期的に再会しながらも
監視だけでなくフランソワーズはずっとジョーを見つめていたのでしょう。
手を触れることも声をかけることも許されないまま。
「草迷宮」の女の子が自分の正体を告げられなかったように。


「俺はずっと探してる」
 (「憂国への帰還」『攻殻S.A.C.2ndGIG』26話)

ジョーはジョーで繰り返される時の牢獄の中、
自らの想いをトモエの姿に変えて擬人化することで
精神の安定を保っていた。
再会を夢見ることで生き抜いた「草迷宮」の男の子のように。

人はひとりでは生きてゆけない。
原作でもこのテーマは語られてますが
ジョーを孤独の檻に入れることでより際立った感があります。
ギルモア博士も別の意味で孤独だったけど
これは立場上仕方がないかな。
荒巻と呼ばれたのもさもありなんw。
とにかく「RE:009」がバッドエンドでなかったのはファンとしてうれしい。

映画は『攻殻』ほどではないけどセリフの嵐なんで
一度観たけどもう一度映画観る方にはこの本の一読オススメします。
あと2Dのがセリフには集中できますね。
3Dはやはり目が疲れるし眼鏡が重いですから。

カラー口絵は人気アニメーター中村悟さんによる素敵なジョーが拝めます。
滅多にないポーズもちょっと新鮮でファンなら手元に置いときたい一冊です。

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