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究極映像研究所BP所長からのミッションで、
東京分室として昨日試写会へ参りました。
稀代の音響デザイナー大野松雄氏を取り上げた秀逸なドキュメンタリーです。
構成としては3つ、かな?
テレビの黎明期を支えた人々が語る「大野松雄」
知的障害者施設のミュージカルを支え続けたその軌跡、
21世紀の音響を目指す若手と交流する大野氏の姿。
大野氏は初代「鉄腕アトム」から
「この世にならざる音」を捜し求め作り出してきました。
黎明期の貧弱な日本アニメに音で奥行きを与え音に人格を与えた。
彼が作り出した音の世界は多くのフォロワーを生み
今も多大な影響力を世界に示し続ける。
彼は存在する音には最初から興味を示さない。
全てがコピペで片付けられかねない現代社会では
その姿は真理を追い求める僧のよう。
かと思うと若い世代に
「いい加減にイメージしていい加減に作る。
そのいい加減にイメージできるってのが大事なんだ。
がちがちにイメージすると外れたら困るだろ?」
と語る。
息を吸うように聞いたことない音を飄々と作り出す。
これが音の魔術師といわれるゆえんでしょう。
彼を囲む若者たちの目の輝きが印象的でした。
最初の部分では全くご本人が出てきません。
渡されたパンフレットには白髪頭の作業中の姿だけ。
なので一体どんな気難しい人かと思いきや
スクリーンに現れた大野氏は意表を突きました。
白髪頭でバンダナを粋に巻き、Tシャツにベスト姿。
歯の抜けた口(^^;でべらんめえ口調でまくし立てるのに
その飄々とした姿はなぜか年齢を感じさせない。
でもって若い世代には惜しみなく技を披露しつつわが道を行く。
なんとも魅力的で年齢(齢80!)を感じさせない姿に
ちょっとお会いしたい気分に駆られました(笑)。
そして映画の肝となるのはこの言葉。
「いつでもアマチュアに戻れる。
手を抜いても相手をたばかれる。
それがプロフェッショナル。」
本気か冗談か分からないけど
妙に納得してしまうのは彼の魔術?なんてね(笑)。
そうプロはいつだってクライアントを満足させる。
一般公開は渋谷ユーロスペースにて5月から全国順次公開。
映像関係を目指す方もそうでない方も観て損はない映画です。
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