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Mar 05, 2011

『アトムの足音が聞こえる』富永昌敬監督

公式サイトはこちら
究極映像研究所BP所長からのミッションで、
東京分室として昨日試写会へ参りました。
稀代の音響デザイナー大野松雄氏を取り上げた秀逸なドキュメンタリーです。

構成としては3つ、かな?
テレビの黎明期を支えた人々が語る「大野松雄」
知的障害者施設のミュージカルを支え続けたその軌跡、
21世紀の音響を目指す若手と交流する大野氏の姿。

大野氏は初代「鉄腕アトム」から
「この世にならざる音」を捜し求め作り出してきました。
黎明期の貧弱な日本アニメに音で奥行きを与え音に人格を与えた。
彼が作り出した音の世界は多くのフォロワーを生み
今も多大な影響力を世界に示し続ける。
彼は存在する音には最初から興味を示さない。
全てがコピペで片付けられかねない現代社会では
その姿は真理を追い求める僧のよう。
かと思うと若い世代に

「いい加減にイメージしていい加減に作る。
 そのいい加減にイメージできるってのが大事なんだ。
 がちがちにイメージすると外れたら困るだろ?」

と語る。
息を吸うように聞いたことない音を飄々と作り出す。
これが音の魔術師といわれるゆえんでしょう。
彼を囲む若者たちの目の輝きが印象的でした。

最初の部分では全くご本人が出てきません。
渡されたパンフレットには白髪頭の作業中の姿だけ。
なので一体どんな気難しい人かと思いきや
スクリーンに現れた大野氏は意表を突きました。
白髪頭でバンダナを粋に巻き、Tシャツにベスト姿。
歯の抜けた口(^^;でべらんめえ口調でまくし立てるのに
その飄々とした姿はなぜか年齢を感じさせない。
でもって若い世代には惜しみなく技を披露しつつわが道を行く。
なんとも魅力的で年齢(齢80!)を感じさせない姿に
ちょっとお会いしたい気分に駆られました(笑)。

そして映画の肝となるのはこの言葉。

「いつでもアマチュアに戻れる。
 手を抜いても相手をたばかれる。
 それがプロフェッショナル。」

本気か冗談か分からないけど
妙に納得してしまうのは彼の魔術?なんてね(笑)。
そうプロはいつだってクライアントを満足させる。

一般公開は渋谷ユーロスペースにて5月から全国順次公開。
映像関係を目指す方もそうでない方も観て損はない映画です。

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映画『アトムの足音が聞こえる』公式HP ◆業務連絡(^^)  先週の記事 シネグリーオ製作・冨永昌敬監督『アトムの足音が聞こえる』試写会プレゼントに応募いただき、有難うございました。 応募は4名様でしたので、全員の方に、試写状をお送りさせていただきました。 お楽しみいただければ、幸いです。 あと1枚、試写状がありますので、上記記事に書いてある注意事項を読んでいただいた上で、記事にある宛先へ、メールいただければ、先着でお送りするようにしますw。2/10 23時追記。 さっそく本日、試写会ご希望のメール... [Read More]

Tracked on Mar 05, 2011 12:54 PM

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