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Apr 02, 2010

『東のエデン 劇場版Ⅱ Paradise Lost』

誰も引き受けないのなら
この国が少し違う未来へ歩き出せるのなら
僕は「王様」という名の生贄になろう。

そんな男の子と
彼を見守り続けた女の子とその仲間たちの最後の物語。

公式サイトはこちら
TVシリーズ各話レビュー(1011
『東のエデン劇場版Ⅰ The King of Eden』レビューはこちら

春風吹きすさぶ中、前売り券を懐に聖地・豊洲へ行って参りました。

一年がかりでTVシリーズ11話+劇場版Ⅰと続いたこのシリーズも
ついに最終話。
TVでのスタート時はノイタミナ枠向けに軽めのトーンで始まったものの
終盤~劇場版へ向けては神山節でした。

で、その感想。

難しい(-_-;。

この一言です(^^;。

映画としては盛り上がりがⅠに及ばなかったのと
要素を詰めすぎたせいか後半部分セリフに頼りすぎてたのがきつかった。
せめてあと20分あればセリフに頼らず盛り上がった気がしますねー。
大画面ならではの映像パワーをもっと出して欲しかった。

でも

滝沢が活躍して全てきれいさっぱり解決♪

なーんてつまんないハリウッド映画みたいな安直なラストじゃないのは
ほっとしました。
フィクションとはいえ”リアル”を追求してきた監督が
んなことするわけないんですが^^;。

この国は既に疲弊しかつての若者たちが繁栄を享受した「楽園」じゃない。
そのことをよーく認識しお互いがお互いに「お客気分」を捨て、
協力して現実に立ち向かうのが
少しましな未来へとたどり着く唯一の方法なんだと。

自分がたどり着いたこの結論を神山監督は観客に伝えたかったのでしょう。
だとすりゃサブタイトルに「Paradise Lost」がつくのも頷けます。

でもって

倒そうとする側=弱者(この作品では若者たち)

だけでなく

倒される側=強者(かつて若者だった今の権力者たち)

に本音を語らせたのが珍しい。

大体アニメだけでなく実写映画でも
物語が倒す側の論理だけで占められることが多い。
そのほうが受けやすいのでしょうが、考えりゃ片手落ち。
マンガだと私が知る限り田村由美さんの『BASARA』くらい。
『ヤマト』もないことはないけどデスラー本人の口から、ではない。
これは高く評価していいと思います。

そしてこの映画、観ている間に昔読んだ経済誌記事を思い出させました。
確かITバブル崩壊の頃でしたけど。その中身は

日本は黒船で開国したせいか
「何所からかヒーローがやってきて自分たちを救ってくれる」
と思っている。
だからこそ年配には『水戸黄門』が、
子供には『ウルトラマン』や『ドラえもん』に人気が集まる。
この精神構造を変えない限り、この国は変わらない

でした。
もしかして監督も同じように考えてて
滝沢をああいう立場に立たせたのかもしれない。
身内ならともかくよそ者なら『生贄』にしやすいから。

ところで今回引用された『リア王』、
この作品には3人の女性が出てきますが、
滝沢も咲、あや、千草と3人の女性に囲まれていますね~。
うーん、何かあるのだろうか・・・。

とつらつら書き連ねてますが、
見終わって2週間経っているのに、
今だこの作品を的確に表現できません。
何度か見ればまた違う答えが出るのでしょう。
監督に嵌められたような気もしないでもないですが、ま、いっか。

単品映画としては不満がある出来でしたが、
この国に蔓延する絶望とまだあるかすかな希望を同時に見せてくれ、
キャラクターたちの成長を楽しませてくれたこの作品とは
一年間つき合ってきてよかったなと素直に思います。
大杉君も男になったしね(笑)。
滝沢が「遣り残したこと」を片付けるラストシーンには
懲りないヤツは懲りない、という皮肉も含まれていて「ふはは^^;」。
人間も現実も簡単には変わらないね(苦笑)。

と、散漫になりましたが以上が感想です。
長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
そして最後はやはりこの言葉で締めくくらせていただきます。

ノブレス・オブリージュ。
誰もが自らとこの国の救世主たらんことを。

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