『ボルドー・バブル崩壊 高騰する「液体資産」の行方』山本昭彦

ワインを知り始めた頃、山本博さんの「ワインの女王」(改定前の版)を読みました。
格付けシャトーの歴史などを勉強するにうってつけで
何度も何度も読み返したものです。
しかしプリムールという独自の制度についてはあまり書かれておらず
後に知ったそれは現金を確保するための手段、という程度の認識でした。
この本は山本氏の著作と違い、ワインを巡るビジネスが中心です。
前半はプリムールのシステム、それを利用したワインファンド、
2005年以降続いた一級シャトープリムールの高騰とその原因、
リーマンから端を発したバブル崩壊後の様子が克明に描かれており、
一級シャトーがゴールドや原油と共に金融商品の一つである現実を
突きつけられます。
日本に替わり中国や香港がワイン消費の主役として市場価格を牽引する恐ろしさ、
そして一級シャトーを虎視眈々と狙うブランド王たちの買収工作等なども
綿密に綴ってあります。
後半は各シャトーが品質向上にかける凄まじい情熱と
終ることのない品質向上へのチャレンジ、
そしてワイン業界の今を左右する人物たちと
「飲まずに死ねない10本のワイン」(でもどれも私には買えない)
が紹介されていました。
巻末には専門用語の説明もあるので初心者さんにも親切な本です。
ま、どんな業界も裏を返せば、、、ではありますが、
裏でうごめく巨大なマネーには驚きを隠せません。
本来は飲んで楽しむものが投機の対象となる、
ボルドー好きとしては心中複雑になるお話がてんこもり(^^;。
とはいえワインに罪は無いわけで。
ちなみに著者はパーカー&ロラン贔屓ですね。
擁護するコメントがちらほらと見受けられます。
こればかりは個人の価値観?なのでなんともいえません(苦笑)。
ともあれプリムールに手を出したい人は読んでおいて損はないでしょう。
ボルドーの”今”を知る最適な一冊です。
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