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Jun 24, 2009

「東のエデン」最終回『さらにつづく東』

ずーっとずっと忘れてた。
王子とはいつか王になる人だってことを。

「ノブレス・オブリージュ、今度逢うときは素敵な王子様たらんことを。」

損な役割を全部背負い込んで
彼はどんな王様になっていくんだろう。
空に炸裂するミサイルの花火が終っても、
ゲームは続いてく。

ノイタミナで放送中。作品公式ブログはこちら
当ブログでの各話感想(10


TVシリーズがついに最終回を迎えました。

放送前から期待値は高かったけれど、
全11話見事その期待に応えてくれました!
女性向けのノイタミナ枠ということもあり、
ハードな物語と繊細な恋愛模様を上手にミックスさせて
女心も引っ張りまくる手腕には脱帽です。
とはいえ「王子様」という単語をここまで便利な隠れ蓑?に使われて、
女性としてはかなーり悔しい(笑)。
”ジョニー”に始まって"ジョニー”に終るとはこれいかに、とも思いますが、
きっと「裸の王様」を意識したのでしょうね。

ワインに例えれば
練り上げた脚本が抜群のボディの強さ、
全編を通して艶のある中村総作画監督の線は官能を感じさせ、
ギャグとシリアスの絶妙なバランスがついつい録画を見直させる。
観なおすたびに新しい発見があるってあたり
飲み終わったグラスからもなお香りを放つ極上のブルゴーニュ。
ってとこでしょうか。

以下、簡単に最終回の感想です。

前半、コンテナで帰国したニートゾンビ(笑)の中で奮闘するエデンメンバー、
そこへ滝沢が現れます。
滝沢は咲たちを助けるとニートたちを先導し
ジュイスを通じてミサイルを迎え撃つ。
一方ミサイルの首謀者である結城は
あっさりと物部に切り捨てられただ立ち尽くす。
ジュイスが使えなくなった彼に待つのは無残な結末だけでしょう。
器の無い者が強大な力を持つべきじゃない。
最初から最後まで道具に振り回された哀れな男でした。
そして走り去る車の中で物部と辻は何を思うのか。

ミサイルをすべて打ち落とした後
壊れたメリーゴーランドの前で滝沢はジュイスに連絡します。

「俺をこの国の王様にしてくんない?」

受理したジュイスからは冒頭の言葉。
でも滝沢の返事は

「今度逢うときもこのままの俺でいたいよ。」

どこまでも自然体、
だからこそ滝沢は王子様になれたのかもしれない。
ジュイスへの最後の依頼は聞こえないけれど、
記憶を消したのか戻したのかはともかく
自らの意思で王子になることを選んだことだけは確実でしょう。
たった一人だけ自分を信じてくれた人のために。

そして物語は予定されていた年末劇場版へと受け継がれます。

「東のエデン 劇場版Ⅰ The King of Eden」(11月28日~)
「東のエデン 劇場版Ⅱ Paradise Lost 」(2010年1月~)

サブタイトルから察するに
Ⅰは物部達と"王位"を争っての激突で
Ⅱはこの国をどう導くのかを描くのかな。
シリーズ同様練り上げた脚本を楽しみにしています!

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Comments

こんばんわ、青の零号です。

『東のエデン』、見事な幕切れでした。
ああいう終わり方って好き嫌いが分かれそうですけど、冒頭モノローグの咲の語りが
過去を振り返ってのものと気づいていれば、あらかじめ予告済みの結末ですしねぇ。

>「ノブレス・オブリージュ、今度逢うときは素敵な王子様たらんことを。」
滝沢の未来も気になるけど、ジュイスの正体も気になるところ。
こういう気の効いたセリフを言えるところも、単に有能さだけで測れない魅力だと思います。

ただしジュイスも相手によって接し方が違うようなので、物部などはこういう側面を
ほとんど知らないんでしょう。
そういうヤツにジュイスを「まるごといただかれる」ってのはイヤですねぇ。

>きっと「裸の王様」を意識したのでしょ
おとぎ話や童話のモチーフは意識的に入れてますよね。
私のほうはずっと「幸福な王子」が頭にありました。
金箔を剥ぎ取られてみすぼらしくなっても、魂だけは輝きを失わないところが
まるで滝沢みたいだなぁ、と。

>飲み終わったグラスからもなお香りを放つ極上のブルゴーニュ。
さらに言うなら、新進気鋭の作り手があえて古典的なスタイルを尊重しながら
丁寧に作った感じってところでしょうか?

そしてなんといっても、これまでの仕事で培ってきたものが全部発揮されてるのが
すばらしいですよね。
ここまで大事に育ててきた苗木が、いよいよ素晴らしい実をつけてくれたようです。

でも『東のエデン』でこれだけ出し切っちゃうと、もう攻殻S.A.C.の新作に回す分は
残ってないかもしれませんねー(^^;。
それはそれで仕方ないことですが、せっかく還って来た素子や公安9課のメンバーに
再会できる見込みが遠のいたのは、ちょっとだけ悲しいです~。

さて、次の舞台はいよいよ劇場ですね。
我々も新たな戦場に備えて、再び戦力を整えなくては(笑)。

Posted by: 青の零号 | Jun 29, 2009 11:25 PM

まいどでーす^^。

劇場版へつなぎながらも
しっかりと余韻を残して見事な着地を見せてくれました。

とにかく脚本の練り具合が半端じゃなかったですね。
登場人物たちの何気ないセリフに仕込まれた伏線に感心しました。
オリジナルで滝沢朗というキャラクターをしっかり立てて魅力的に見せた手腕が素晴らしい。
押井監督が指摘していた
「(藤咲と違って)神山はキャラを立てる力が弱い」
もこの作品で見事克服したんじゃないでしょうか。
でもって「男萌え」を目指しながらも、きっちり「強い大人の女=ブラックスワン」も描いちゃった。
若くしなやかな王子様vs骨太の黒い女王様の回はほんっとに面白かった。

>ジュイスの正体も気になるところ。
表の主人公がセレソンなら裏の主人公はこのジュイスでしたね。
玉川さんの実力はタチコマで証明済みですが
絶妙な演じ分けに今回も感心しちゃいました。
これを機会に芸名をジュイス・玉川に変えていただきたい(笑)。

>まるで滝沢みたいだなぁ、と。
あ、同感。
魔法の携帯を持っていなくても
アノしなやかさに行動力、
彼はやっぱり魅力的な男の子です。

>新進気鋭の作り手があえて古典的なスタイルを尊重しながら
>丁寧に作った感じってところでしょうか?
上手い!まさにその通り(笑)。
途中の重さはボルドー?と思ったけど
少し切ない結末はブルゴーニュのきれいな酸を思わせます。「ああ、もう一口あったら~」みたいな。

>いよいよ素晴らしい実をつけてくれたようです。
とすると押井の最高傑作は「パト2」じゃなくて神山さん?なんてね(笑)。
こりゃ師匠がマジでつぶしにかかるかも(爆)。

>もう攻殻S.A.C.の新作に回す分は
>残ってないかもしれませんねー(^^;。
「ポケットにいつも何か入れているのが企画者の嗜み」とおっしゃっていますので
何か残っているかとは思いますが、、、やっぱり気になりますね^^;。
別のオリジナルも見たいけど少佐たちに逢いたいのも本音です。

攻殻といえば読売サイトの発言小町で
「アニメの世界から小町に相談(駄:ひまつぶし) 」てなトピックがあります。
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2009/0326/231907.htm?o=0&p=1
この中の「タチデレラ」さんの発言に大爆笑。
是非ご覧ください(苦笑)。

>再び戦力を整えなくては(笑)。
お互い豊洲へ突入ですね(笑)。
でも裸祭りはご勘弁(爆)。

Posted by: shamon(青の零号さんへ) | Jul 01, 2009 08:04 PM

・・・・・こっち(愛知)はまだ放送してません(号泣) なんか乗り遅れた気分です。それに次の作品に気持ちが行っちゃってるし。なんか今楽しいことが多すぎてまいっちゃいますよ(爆笑)それでは映画と東京M楽しみましょう!!!

Posted by: キヨ | Jul 02, 2009 04:40 AM

こんにちはー、コメントありがとうございます。

そろそろ放送されました?
盛り上がってきたときに中断されるとほんっとに嫌ですよね。

>それでは映画と東京M楽しみましょう!!!
「東京M8」は都内でポスターが貼られていますよ。
映画はともかく「東京M」はちょっと苦しいかも~(夜更かしが苦手なのです・・・エデンは気力で最後まで持ちこたえましたが^^;)

Posted by: shamon(キヨさんへ) | Jul 04, 2009 04:55 PM

 関東地区にお住まいなんですね(くぅ~、うらやましい)。東京M8はちょっと見方を変えて全話終了してから一気に見ようと思います。一話ずつ見てあれこれ考えるのもいいですけど、一気に見た後でどんな感情が沸き起こるのか?今から楽しみです。

Posted by: キヨ | Jul 07, 2009 07:41 PM

こんばんはー、コメントありがとうございます。

>全話終了してから一気に見ようと思います。
それもいいかもしれないですね^^。

エデン、先日もう一度見直しました
やっぱり何回見ても面白い。神山監督はホント凄いですね。

Posted by: shamon | Jul 08, 2009 10:57 PM

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