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May 28, 2009

「百億の昼と千億の夜」光瀬龍/萩尾望都

Asyurahagio
「神と戦うのか。」

「おお、そうとも。 
私は相手がなに者であろうと戦ってやる。
このわたしの住む世界を滅ぼそうとする者があるのなら
それが神であろうと戦ってやる!」
   秋田文庫「百億の昼と千億の夜」より抜粋。

現在東京国立博物館で開催中の「阿修羅展」
話題の主である日本一美しい像を観に行く前に
やはりこの作品を読んでおこうと本棚から引っ張り出しました。

1965年に原作が出版、その12年後1977年に萩尾望都によりマンガ化、
兄が掲載誌の愛読者だったためリアルタイムで読みました。
壮大なタイトルにふさわしい時空を越えた物語は
永遠の命題
『人は何所から来て何所へ行くのか』『神とは何か』
を読者に問いかけました。
原作の漫画化は往々にしてその出来が懸念されるものですが、
これは光瀬龍作品としても萩尾作品としても素晴らしい仕上がりです。
後に萩尾望都が発表する「スターレッド」「銀の三角」が
この原作に大きく影響を受けたのは間違いないでしょう。

この作品の中心人物である阿修羅王は
乱れ髪も艶かしく凛々しい少女の姿で私たちの前に現れます(原作でも少女です)。
たとえ相手が神であろうとも自らを脅かす存在と戦い続ける姿が美しい。
そしてこのモデルとなったのは間違いなく興福寺・阿修羅像でしょう。
やや釣りあがった目と中性的で華奢な体型がよく似ているし、
作品内でも三面六臂の姿が何度か登場しています。
「阿修羅展」は連日数十分待ちの大盛況ですが、
萩尾版阿修羅王の面影を探しに行く人も多いんじゃないかなーと思います。
いつまでも手元に置いておきたい一冊ですね。

『阿修羅展』については後日感想をアップいたします。

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Comments

そう言われてみれば、阿修羅でしたね。私も学生時代に彼女から借りて、萩本望都作品は読みました。

今では細かい筋は忘れてしまいましたが「トーマの心臓」も結構インパクを受けました。

それまで、女性漫画家の作品は読んだ事はなかったんですが、単純なストーリーが多い男性作品よりも数段読み応えがあり、なんちゅう漫画家だと思いました。

「百億の昼と千億の夜」買ってきて、数十年ぶりに読もうかなぁ・・・・

Posted by: nekobara | May 29, 2009 at 10:28 AM

こんばんはー、コメントありがとうございます。

70年代~80年代にかけて
少女漫画界はまさに黄金時代でした。
人生に必要なものをほとんど
漫画から教えてもらいましたよ(笑)。

>なんちゅう漫画家だと思いました。
粒ぞろいの24年組の中でも
萩尾望都は格が違いますから~。
出す作品全てが示唆に満ちていて唸らされる。
同時期にブラッドベリSFを漫画化した「ウは宇宙船のウ」もよかったです。

この頃
「少女漫画家でSFを描けるのは、
萩尾望都、竹宮恵子、山田ミネコの3人だけ。」
と誰かが言っていました。
竹宮恵子は「地球へ・・・」で有名なんで説明省きますが、
山田ミネコ(この人も24年組)は「最終戦争(ハルマゲドン改めアーマゲドン)」が代表作です。
謎の生命体デーヴァダッタと人類が存亡を賭けて闘う描いた壮大なSFです(まだ未完で連載中)。
ただ絵にクセがあるので好き嫌いは分かれちゃいますね。

Posted by: shamon(nekobaraさんへ) | May 29, 2009 at 08:29 PM

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Tracked on May 30, 2010 at 07:18 PM

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