NHKスペシャル「沸騰都市」
公式サイトはこちら。先日全8回の放送が終了しました。
昨年初夏に前編としてドバイ、ダッカ、ロンドン、イスタンブールの4都市
今年に入ってから後編としてヨハネスブルグ、サンパウロ、シンガポール、TOKYO
の4都市を取り上げてそれぞれ放映されました。
ダッカの回は見逃したものの、
非常に質が高く見ごたえのあるシリーズで大満足。
さすがNHK、向上心ゼロで芸能プロの学芸会に甘んじている民放では
こんな濃い特集は撮れないでしょう。
全編と後編の間に未曾有の金融危機が勃発したことも
このシリーズの価値をぐっと高めたことと思います。
オープニングタイトルバック&BGMはプロダクションIG・押井+川井憲次、
赤銅の『イノセンス』カラーがシリーズに不気味な雰囲気を添えていました。
印象に残るのは初回のドバイと最終回のTOKYO、
わずか数ヶ月前の放映では栄華を誇っていたドバイも
金融危機後の今見る影も無く凋落しています。
「山、海へ行く」は"株式会社神戸"の常套手段ですが、
ドバイの「砂、海へ行く」はただの砂上の楼閣でしかなかった。
最近良く報道される建設中止になった超高層ビルや
廃墟と化した高級住宅街は今どうなっているのでしょうか。
そして働く場所を失った外国人労働者たちは今どこへ。
最終回のTOKYOは今私が住んでいる場所です。
アメーバのように増殖していく様はまさに生物、
空へ地下へその増殖振りは他の都市のエネルギーを食い尽くす勢いです。
森ビルの丸の内に追いつけ追い越せ戦略は
"空"を支配することで人も金も吸収しようとしている。
対する王者・三菱地所の丸の内再開発計画は今も着々と進み、
NYのような摩天楼の街が出来上がりつつあります。
金が人を呼び人が金を呼んで天を貫く塔を築き上げていく、
普段見慣れている風景なのにとても不気味に思えました。
でも豊洲の小学校校長がコミュニティ作りに奮闘されている部分ではほのぼの。
「子供たちにはここが故郷になるから。」
との温かい言葉と眼差しに少しほっとしました。
個人的には首都高速のCG説明で『パトレイバー』のBGMが流れた時は
大いにウケました(爆)。
ってかシチュエーションそのままで笑えた。
これ以外にも『パトレイバー』を思わせるカメラアングル、『攻殻』のBGM、
近未来部分をIGがアニメ化とIG尽くし。ディレクターの趣味かしら^^;。
この2都市以外では面白いと感じたのがシンガポールですねー。
ドバイは金だけを集めましたが、ここはプラス人材を集めて技術立国を目指す。
だけど日本の研究者が待遇を求めてここに移ることには
複雑な思いで眺めていました。
「資源が無いから人材を集める」シンガポール、
本来日本もそうあるべきじゃ・・・使わない道路作ってる場合じゃないぞっ!!
全8回で終了したこのシリーズですが、
来月末に『沸騰都市のそれから(仮) 』と称して
その後を追うそうです。
金融危機を受けて急遽企画されたのでしょうが
こちらも注目ですね。楽しみです。
The comments to this entry are closed.
Comments