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Dec 30, 2008

「アンドリュー・ワイエス 創造への道程(みち)」

東京・Bunkamuraでの展示は終了しました。
以後は
2009年1月4日(日)-3月8日(日)   愛知県美術館
2009年3月17日(火)-5月10日(日) 福島県立美術館
です。

2008年アートエントリのラストは大好きなアンドリュー・ワイエス。
Wye2008_2 

13年前日経に載った「遠雷」に心惹かれ
福島県立美術館で初めて彼の絵を観ました。
「アメリカの心の風景を描く」と評されるワイエス、
落ち着いた色彩と透き通る空気の描写に
言葉もなく吸い込まれるように見入りました。
そして今年Bunkamuraでの再会です。
少し回復した身体に鞭打って?会期ギリギリに滑り込み鑑賞してきました。

会場においてあった図録によると
この展示会は13年前の展示会に続くコンセプトで開催されました。
ですので開催地も前回と全く同じ。
完成品がほとんどだった前回とテーマは違うものの、
彼の「創造のプロセス」を追う貴重な内容でした。

展示方法は「習作」と「完成品」をそれぞれ一まとめに並べており
彼の試行錯誤のプロセスが細かく観ていくことができました。
緻密な作風がワイエスの特長ですが、
創作姿勢も同じで丁寧にデッサンを何度も描き
完成品のイメージを自分の中で固めていったようです。

完成品はその7割近くが13年前と同じ絵(主観です)でしたが、
素描は初めて見るものが多く、美しい細い線に惚れ惚れ。
完成品と比べることによって新たな魅力を発見できました。

しかし「遠雷」「クリスティーナ・オルソン」「夜の寝台車」等、
有名な作品がなかったのは残念でした。
ポスターとなっている「火打石」はよい絵ですが、
上記の目立つ大作があればもっとさらによかったのに、と思います。
「夜の寝台車」は大きな絵なので展示上の制約があったのかもしれないけど・・・。

初見の絵で印象に残ったのは
「野に置かれた義手」「747」
の2枚。
なかでも「747」は飛行機雲・小屋・後姿のベッツィ夫人という
組み合わせがとても面白くニヤニヤしちゃいました(^^ヾ。
夫人の顔を帽子で見せないのは「遠雷」と同じ、
何か理由があるのでしょうか(笑)。
#しかし「遠雷」の帽子は青いと思い込んでたけど
#持ってる図録を見直したら別の色だった・・orz。青はシャツだった。
「野に置かれた義手」はいかにもワイエスらしい風景画。
持ち主の厳しい人生を偲ばせます。

あと初見ではなかったのだけど「三日月」が
深々と冷える12月の夜の神々しく美しい風景画でよかったですねー。
でも13年前には印象に残らなかった、なんでだ?
で、この「三日月」について13年前の図録には
「さかさまにすると揚子江を下るジャンク船か何かに見える」
とワイエスのコメントが載ってます。
なので今回買った絵葉書をひっくり返して観ちゃいました。
うん確かに、白い雪が地面に、建物が船に、茶色の空が水面に見えますね。
なんだか面白い~。

休み休みゆっくりと観た後はいざグッズショップへ。
「三日月」と今回未出展ですが「インディアン・サマー」の絵葉書2枚を買いました。
しかし「747」のグッズがないのはなんでなのー>主催者。
ポスターや絵葉書があれば買おうと思ったのに。。。(ノд・。)。
壁側にはたくさんの複製画、欲しいけど置く場所もお金もありませんがな^^;。
「3月15日」はポスター持ってるし~。
図録は今もっているのと重なる絵が多いのでパスしました。

我が家から渋谷はとてもアクセスが悪く、
しかもBunkamuraは駅から遠く(循環バスは時間が不規則)、
闘病中の身にはたどり着くのもやっとでしたが、
ギリギリで観られてよかった。これでようやく年が越せます(笑)。

東海地方、関西地方の方々はこれからですね。
いいなー。ご覧になる方は楽しんでください。

以上レビューでした^^。

当ブログワイエス関係エントリ
ワイエスの空
「第6回アンドリュー・ワイエス水彩・素描展」in丸沼芸術の森(2006年)
「アンドリュー・ワイエス展」in青山ユニマット美術館(2007年)

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Comments

こんにちわ~。
ワイエス好きにはたまらない展覧会だったと思います。
素描や習作を並べて創作過程を追いかける展示方式は
ちょっと玄人好み的ではありましたが、作家のイメージが
どのように変化して作品に結実するか知ることができて
ワイエス初心者の私にも興味深いものがありました。

あとやっぱり、ナマの描線っていいですねぇ。
ある意味、その作家の力量が一番ハッキリ見える部分かも。

今年の見納めがワイエス、ってのはいいですね。
気分的にも引き締まる感じの作風だし、作者自身もご長寿で
なんだか縁起も良さそうです。
例えるなら年越しソバに海老が乗ってくる感じ?(ちがうか)

ワイエス御大にあやかって、shamonさんも来年は
元気に過ごせるといいですね。
それでは、よいお年をお迎えください。

Posted by: 青の零号 | Dec 31, 2008 at 02:07 PM

コメントありがとうございます。

素描から入られたのはとてもよかったと思います。基本の基本ですからね~。

>ある意味、その作家の力量が一番ハッキリ見える部分かも。
鉛筆画ってごまかし利かない分
作家は怖いでしょうが
観る側にはいいですよね。
有名アニメーターの原画見てるみたいでした。

>年越しソバに海老が乗ってくる感じ?(ちがうか)
しっかり海老天のせて食べましたよ!
これで来年はイイコトあるかも?なんて。

今年もお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。

Posted by: shamon(青の零号さんへ) | Dec 31, 2008 at 10:35 PM

明けましておめでとうございます。

以前のワイエス展と比べると
パワーではかなり劣っていましたが
サブタイトルを軸に見れば
また新たな感動得られる展覧会でした。

今年もどうぞ宜しくお願い致します。

Posted by: Tak | Jan 07, 2009 at 08:12 PM

あけましておめでとうございます。
こちらこそ今年もよろしくお願いします。

>パワーではかなり劣っていましたが
前回がこれでもかっ!って名作がありましたからね・・・。
でも丸沼芸術の森さんのバックアップのおかげでとてもよい内容でしたね。

Posted by: shamon(Takさんへ) | Jan 07, 2009 at 08:20 PM

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» 遥かなるワイエスの道程 [Biting Angle]
Bunkamuraで「アンドリュー・ワイエス 創造への道程」展を見てきました。 大琳派展のきらびやかで装飾性あふれる世界とは一転して、土をそのままカンバスへ 塗りこめたかのような、茶色の風景たち。 琳派とは対照的な世界なのですが、水彩に見られるにじみの使い方はなんとなく 琳派お得意の「たらしこみ」を思い出させるところも。 荒涼としたフロンティアと、そこで慎ましくもタフに生きる普通の人々。 ワイエスの緻密な描線と卓越した配色の妙技は、大地の土臭さや荒々しさを描いても 決して絵の品格を貶しめることは... [Read More]

Tracked on Dec 31, 2008 at 01:50 PM

» 「アンドリュー・ワイエス」展 [弐代目・青い日記帳 ]
Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の 「アンドリュー・ワイエスー創造の道程」展に行って来ました。 日本人に最も受けのいいアメリカ人画家アンドリュー・ワイエス. アメリカ人がこれほどまで寂寥感を覚える作品を描くことにまず驚かされ、そしてワイエスの生れ故郷ペンシルバニア州チャッズ・フォードと別荘のあるメイン州クッシングの風景やそこに暮らす人々を描いた作品に日本人でありながら目にした瞬間からシンクロ率200%を超え画面に没頭できてしまう自分にはっとさせられます。 観に行... [Read More]

Tracked on Jan 07, 2009 at 08:10 PM

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