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Dec 07, 2008

「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」ブラザーズ・クエイ監督

映画公式サイトはこちら
#東京での上映は終了しています。

前売り券は買ったものの、
療養生活と上映期間がもろ重なってしまい
なかなか行けないままでした。
上映終了が迫り体調が体調なので悩んだのですが
前売り券を無駄にするのも悔しくて
先日表参道駅からシアター・イメージ・フォーラムへ向かいました。
#今の体力ではとても宮益坂を登れません・・・。

躊躇していたのにはもう1つ理由があります。
「ストリート・オブ・クロコダイル」があまりに強烈すぎて
「映画館で観るクエイ映画に今の体調で耐えられるんだろうか・・・」
と少々怖かったから。
でもこの映画は思ったよりもぐっと軽く(?)て
ほっと一安心でした。

物語は
美しい歌姫マルヴィーナが狂気の科学者ドロス博士に
さらわれてしまうことから始まります。
ドロスは絶海の孤島で彼女を自らの自動演奏機械人形に加え
狂気のオペラ演奏会を企てていた。
そこへ博士から依頼を受けた調律師フェリスベルトが島を訪れる。
フェリスベルトはマルヴィーナの存在から博士の恐ろしい企てを知り
それを阻止しようとするが・・・

という内容。
しかしストーリーよりもむしろ映像美を楽しむ作品ですねー。

映画全体がこの画家のイメージで統一されており
小物の雰囲気はどこかマグリット(特に椅子)。
「ストリート・オブ・クロコダイル」は
黒で覆いつくされた不気味でこの上なく退廃極まる作品でしたが、
こちらはライティングを実にうまく使って
透明で美しい幻想的な雰囲気をかもし出してます。

上手いっと思ったのが女性の撮り方。
ヒロイン・マルヴィーナを白、
博士の家政婦アサンプタを黒、
てな感じで対照的に描いてます。
クエイ兄弟はパペットで有名な監督ですが、
女性も美しく撮れるんですね。
しかもその撮り方がデイビット・リンチ監督とすごく良く似てる。
アサンプタと博士の関係などはリンチの淫靡な雰囲気まんま、
意外な収穫でした。

クエイ十八番のパペットは思ったほど出番が少なく
「ありゃ、こんだけ?」。
今回は人間が主役ってことでわざと少なくしたのかもしれませんね。
でも人間の生々しい身体の部位を機械の中に織り込むのは変らず、
正直そのシーンだけはきつかった。
男性には平気でも女性から見ると、、ってなのもあったから。

結論としては

クエイ初心者にオススメ

です。
「ストリート・オブ・クロコダイル」ほど
難解じゃないし映像もとっつきやすい。
ただ静かで淡々とした描写が続くので
刺激が好きな人はたぶん途中で寝ます(笑)。
濃い~~ファンの人にはきっと物足らないでしょうが、
クエイ兄弟の映像美とパペットをとりあえず見てみたいって人には
丁度いいでしょう。

・当ブログ ブラザーズ・クエイ関連エントリ
「ストリート・オブ・クロコダイル」ブラザーズ・クエイ(感想エントリ)

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Comments

こんばんわ、TBありがとうございました。
実のところ、shamonさんの体調不良はクエイ作品が原因じゃないかと
疑ってたので(笑)、見に行って大丈夫かと気になってました。
その後、お加減とか悪くなってないといいのですが~。

>しかしストーリーよりもむしろ映像美を楽しむ作品ですねー。
話の脈絡よりも見た目とムードが命の作品ですよね。
ウソなのかホントなのか、寝てるのか起きてるのか、
そして生きてるのか死んでるのかもあいまいな感覚を
主人公の身になって体験するのが、この映画にとって
一番理想的な鑑賞法かも。
といいつつ、私は途中でホントに寝てしまいましたが(^^;。

>クエイ兄弟はパペットで有名な監督ですが、女性も美しく撮れるんですね。
人形の美としてのマルヴィーナに対し、肉感的な美のアサンプタという
対比性も感じられました。
ラストの二人の運命を考えると、これは「死」と「生」の対比と
言い換えてもよさそうです。
単純に「攻め」と「受け」という分類でもいいんですが(笑)、
この二人はそれぞれが「女性」の持つ二面性を表しているのかも。

そこらへんがごっちゃになってくると、『マルホランド・ドライブ』の
ヒロイン二人の関係になりそうな気もします。

Posted by: 青の零号 | Dec 08, 2008 at 07:25 PM

こんばんはー、TB&コメントありがとうございます。

体調の上下が激しいのは相変わらずですが
クエイの悪影響はないので大丈夫です^^。

正直軽い映画でよかった。
「クロコダイル」並に陰鬱な映画だったら
たぶん救急車でかつぎこまれてます(爆)。

>一番理想的な鑑賞法かも。
あ、今私が「自分の身体が自分で把握できない」状態になるのが多いので、
この映画にシンクロできたのかも。
とすると元気な人には退屈?

>この二人はそれぞれが「女性」の持つ二面性を表しているのかも。
男性が「女性」に求める相反する2つの要素とも捉えられますね。
それぞれ男が崇める「聖女」と男をそそのかす「悪女」の象徴?

にしてもアミラ・カサール(ロシアと中東のハーフ)のエキゾチックでありながら透明な美しさと
アサンプタ・セルナ(スペイン人)のカルメンを思わせる妖艶で肉感的な美しさはまんま
>『マルホランド・ドライブ』
の2人のヒロインに重なりますね。
クエイ兄弟ってリンチのファンなのかな。

Posted by: shamon(青の零号さんへ) | Dec 08, 2008 at 09:43 PM

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独特の隠微かつ淫靡な世界観を持つ人形アニメで知られるブラザーズ・クエイの 新作『ピアノチューナー・オブ・アースクエイク』を、公開初日に見てきました。 この作品は実写が中心で、そこに人形アニメを組み合わせたもの。 ちなみに私は今回がクエイ作品初体験です。 異端の発明家であるドロス博士が、自分の理想とする音楽を完成させるため 歌姫マルヴィーナを連れ去り、自ら発明した7台の奇怪な音楽機械を用いた 恐るべき演奏会を計画する。 その機械を調律するために博士の島へと呼ばれた調律師は、歌姫の婚約者に 瓜二つの男... [Read More]

Tracked on Dec 08, 2008 at 07:27 PM

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