Esquire10月号「SF再読。」
「彼は決して大人にならず成長することをやめなかった」
アーサー・C・クラーク(自らが用意していたらしい墓碑銘) 68pより引用
「『ブレード・ランナー』は、サイエンス・フィクションとは何か、
今後は何が出来るのかについての私たちの認識に、
革命をもたらすだろう。」
フィリップ・K・ディック(同映画の制作中の映像を見てスタッフに贈った言葉)88pより引用
店頭で見かけ誌名と特集のギャップに一瞬躊躇したものの、
手にとってレジに向かいました。
かつては新しいジャンルだったSFが
時の流れと共に今は古典になった。
今年3月クラークが天に旅立ち、
アメリカの文学全集シリーズにディックが加わった今、
もう一度SFを読もうではないか、という特集です。
特集の軸となるのは冒頭に上げた言葉の主クラークとディック。
二人の代表作と共にその足跡を追っています。
コアなファンの方には「こんなの知ってるよー。」でしょうが、
私のような薄い(^^;)SFファンにはとても助かります。
折しも昨日まで開催されていた日本SF大会「DAICON7」では
宇宙作家クラブによるクラークを偲ぶシンポジウムも開催されていました。
この特集、俗に言う御三家(アシモフ、ハインライン、クラーク)ではなく
ディックを持ってきたのがいいですね。
近寄りがたく端正な美しさに満ちたクラーク、
猥雑で退廃ムード(個人的主観です、はい)なディックと
そして商業的映像化もクラークは少ないけれど、
ディックはハリウッドに愛されていくつも映像化され、
『ブレード・ランナー』は今も尚絶大な影響を及ぼし続けている。
てな具合に二人の巨匠はとても対照的だから。
元々ブラッドベリ好きなのもあって
この両作家はあまり読んでなかったから
この特集はとても嬉しい。
特にディックは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を
途中で挫折してしまい(映画を先に観たのが敗因か?)、
他の長編に手を出すのが怖かったんですよね。
短編は名前忘れたけど面白いのがあって
ディックは短編作家というイメージが今もあるし。
この特集をきっかけに両作家を読み込んでみよう。
この二人の記事以外には
年代別SF作品の紹介とか
新しいSF(ストレンジ・フィクション)の台頭とか、
(マイクル・コーニィの『ハローサマー、グッドバイ』他)
飛騨高山にあるSFX博物館?「留之助商店」の紹介などが
あります。
SF紹介の記事では若島正さんによる
「アルファベットの順に読む」という提案がいい。
AはアシモフのA~、BはブラッドベリのB~てな感じで。
SFをもう一度の人も
新しく読んでみようって人にもガイド用に最適な一冊です。
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Comments
こんばんわ~。
エスクァイア、また妙な特集を組みましたね。
店頭で見たら手にとってみようっと。
しかし今の時代にクラークとディック・・・微妙だ(笑)。
でも対象的なこの二人からSFに触れるというのは
アリかもしれません。落差がけっこうあるけど。
>新しいSF(ストレンジ・フィクション)の台頭
これは初耳なので、ちょっと気になります。
ニュー・ウィアードとかは聞いたことありますが。
若島氏はベスターの『ゴーレム100』出版記念の
トークショーでも、ABC順で読む話をしてました。
Aはアシモフ、Bはベスターかブラッドベリ・・・って感じ。
若島氏はまずアシモフ読んで全然おもしろくなかったけど、
次に読んだベスターの『虎よ、虎よ!』でSFに目覚めたとか。
(Cはクラークだったけど、飛ばしてディックに行ったみたい。)
私としては、Aならオールディスの『地球の長い午後』を
お勧めしたいですね。
Posted by: 青の零号 | Aug 25, 2008 11:47 PM
こんばんはー、コメントありがとうございます。
SF要素が濃い~青の零号さんにはちょっと薄い特集かも(笑)。
SF修行の足りない私には丁度よいです。
>アリかもしれません。
でしょ?
これくらい落差があるほうが雑誌の特集としてはインパクトがあると
編集部が踏んだのかもしれませんね。
映画の話も突っ込めるし(笑)。
>これは初耳なので、ちょっと気になります。
誌面では”身近な出来事が妄想とも幻想ともつかない自由奔放な世界へ飛躍してしまう”そんな奇妙な物語、とあります。
>ABC順で読む話をしてました。
はい、これも記事に載っています(^^)。
とはいえいきなりアシモフは辛いので
Aは飛ばしてブラッドベリの短編からなら
初心者でも入りやすい気がします。
オススメ本には「火星のプリンセス」もしっかりありますよん
武部デジャー・ソリス姫はアメリカでも人気があるんですね^^。
Posted by: shamon(青の零号さんへ) | Aug 26, 2008 09:19 PM