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May 09, 2008

「エマ」完結

森薫さんのブリティッシュ・ロマンス・コミックがついに大団円を迎えました。
最後の巻となる10巻にはポストカードつき。

物語は19世紀末ヴィクトリア朝のロンドンで始まります。
元家庭教師の下を訪れた上流階級のウィリアムは
そこのメイドのエマに一目惚れしてしまう。
何とか理由を作って彼女の元へ通いますが、
二人の前には階級の壁が大きく立ちはだかる。
そしてウィリアムに想いを寄せる子爵令嬢エレノアが
二人の恋に大きく絡んできます。

と書くとべたべたの恋物語に思えますが、どうしてどうして。
登場人物達の揺れる想いとそれぞれの行動、
この時代に明らかに存在していた”階級の違い”を
作者は丹念に描き出しています。
地味だけれども軽くないしっかりしたロマンス・コミックと言えるでしょう。
何せ恋愛物がかなり苦手な私でも読めたのですから。

作者の森薫さんはこれがシリーズデビュー作、
最初はぺたっとした印象の絵でしたが、
6年の連載期間にぐっと画力もアップしています。
当時の服装なども丁寧なペン入れと緻密なスクリーントーンで再現して
一枚絵のよう。
小道具や調度品の1つに至るまで相当な下調べをなさったことが
絵の端々から伺えます。

本編は7巻までで一応完結、8,9,10巻と番外編です。
10巻ではエレノアの新しい恋にほっとした方が多いでしょうね。
そして最後はエマとウィリアムの結婚式で結んでいます。
結婚のサインのシーンではほろりweep
きっとあの人も喜んでいるでしょう。

そして忘れてならないのはアニメ版
第一幕はほぼ原作どおり、第二幕は原作とは違った展開になっています。
第二幕で登場してくる
ウィリアムの母オーレリア、
エマの新しい雇い主として登場するドロテア夫人
の2人が原作以上に華を添えウィリアムとエマの支えになります。
ドロテア役は高島雅羅さん、オーレリア役はあの島本須美さん。
クラリス姫がそのまま大人になったようなオーレリア、
上品でありながら妖艶なドロテア、
お二人の声がぴったりでした。
オリジナルキャラではナネットが上手な導入役を務め、
後半ではエマのよき理解者となりました。
でもハンスはちょっとかわいそうだったな~。バトーみたいだった(爆)。
また第一幕第二幕共に素晴らしかったのは梁邦彦さんの音楽、
リコーダーやピアノが奏でる美しい旋律が作品を引き立てていました。
アニメのサントラに興味ゼロの相方が
「CD買おうよ~」と言ったくらい(笑)。

メイドが主人公、ってことで誤解されそうな作品ですが、
中身は本当にしっかりしています。
ご興味を持った方、是非ご一読&DVD鑑賞を^^。

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