« 月に一度のお勉強I(2008/5月分) | Main | 蒸しっ »

May 23, 2008

スーパーハイビジョン in 「NHK技研公開2008」

流氷の海、雪原に集う動物達、寒さに煙る朝、
リアルティ溢れる映像はスーパーハイビジョン。

今年もNHK放送技術研究所の一般公開が始まりました。
公式サイトはこちら、公開は5/25までです。

昼下がりピーカンの空の下、ババ混みのバスに乗って
技研に向かいました。
乗客はほとんどが背広のビジネスマン、
その全部が技研前で降りました・・・。

エントランスで案内図を貰って入場。
以下、例年通り(笑)スーパーハイビジョンを中心に技研公開レビューです。

今年のテーマは

「技術のチカラがテレビを変える」


です。
まさにこのテーマのまま、
スーパーハイビジョンの一般視聴への布石が
着々と打たれていることを示唆する内容でした。

そして今年もスーパーハイビジョンシアターは人気を集めていました。

技研公開の華としてすっかり定着している雰囲気ですね。
会場スペックは例年と同じ

 スクリーンサイズは450インチ
 音響は22.2チャンネル(スピーカーは全てBOSE製)。
 客席定員は104名。 映像の上映時間は約5分。

です。が、今回はテーマが違っていました。

「日本遺産 春夏秋冬」

とまずタイトルがスクリーンに映りました。
アナウンスによると、
今年から日本の四季をテーマにロケハンしコンテンツにするとのこと、
今回は「北海道の冬」。期待が高まります。
そして上映が始まりました。

・流氷船から撮った流氷
・丹頂鶴のダンス
・雪原のキタキツネやカモシカたち
・大地の空撮
・草原の中を走るSL
ばんえい競馬

と、今回は都市の風景は全くなし。
けれど自然の風景だからこそスーパーハイビジョンが出す臨場感を
たっぷり味わうことができました。。
冒頭の流氷はカメラがゆっくりと海面を追っていくのですが、
見ていると船酔いしそうなリアリティ、昨年の空撮と同じです。
動物達の映像は体毛のふさふさした感じがとてもよくわかり
手を伸ばしてしまいそう。
SLはカメラがぐぐっーーーーとSLの動きに沿って動くのですが、
フォーカスが甘くなる(昨年の有馬記念映像と同じ)のがちょっと気になるかな。
でも臨場感はばっちりで迫力がありました。
どうも現在の技術では動くものを追いかける時にフォーカスが甘くなるみたい。
これからどんどん改良されるでしょうから今後に期待です。
最後のばんえい競馬はレースの様子等いろいろ。。
そして意図したのかそうでないかはわかりませんが、
馬が吐く白い息や朝もやが中心の映像となっていました。
とても幻想的だったのですが頭の中では
「なんでまたお馬さんなの」と言葉がちらつく有様(^^;。
ただこの映像のタイトルとばんえい競馬が置かれている状況を合わせると
「記録」として撮った気もします。

以上がスーパーハイビジョンの感想です。
一昨年に初めて見たときほどの衝撃はないですが、
それでも臨場感はたっぷりで満足^^。いやーやっぱり自然の映像はよいっす^^。

他には

・スーパーハイビジョン家庭視聴イメージ
3300万画素広ダイナミックレンジプロジェクター


のスーパーハイビジョン関係の関連展示がありました。
スーパーハイビジョンが家庭で見られるようになるには
あと20年くらいかかるみたいですが、
体験展示ではいち早くそれに近い環境で
テスト映像(もしかして愛知万博映像?ひまわり畑とかいろいろ)が鑑賞できました。
で、やはり音響が22.2chともなると音が

左右からだけでなく上下

からも聞こえるってのが実にイイ。
惜しむらくはオープンスペースなので他のブースの音が
入ってくるのが勿体無かった。来年は考慮願います>技研殿
で、ダイナミックプロジェクターは、
黒がとても美しく細かなところまでボケずにくっきり。
ホームシアターがあればなぁ、なんて思っちゃいました。

スーパーハイビジョンの関連の後は、列に並んで

インテグラル立体テレビ専用メガネがいらない3Dテレビ)

を鑑賞。
うーん、去年よりははっきりした映像になってるけど
なんだか今ひとつ。子供に例えればよちよち歩きかな。
来年に期待。
しかしこの後ドツボにはまる展示を発見っ!
それは

ムーンハイビジョンカメラ

昨年、打ち上げた衛星「かぐや」に搭載された
あのハイビジョンカメラと同型のものがありました。
でもぱっと見なんだか黒い。
「?」と思って近づくとその黒いのは

カメラケースを覆う断熱材

でした。
薄いアルミと網を交互セットで10層に重ねたものですが、
1枚1枚はとっても薄い。
「こんなんでも大丈夫なんだ、おーっ。」て感じかな(笑)。
で、このカメラ実は2つのレンズ(広角レンズ&普通のレンズ)が搭載で
地上からスイッチで切り分ける仕様になってます。

地球が大きく見える映像は望遠レンズ、
月の表面が横に広く地球が小さく見える映像は広角レンズ

と使い分けてるそうですよ~。
そして2つのレンズはお互い反対方向を向いているので
アース・ライズ(地球の出)とアース・セット(地球の没)が両方撮れるということです。
衛星に乗せるということで断熱性を始め消費電力に重量や大きさが
厳しく決められており搭載までは大変な苦労があったそうです。
カメラの横には「かぐや」の模型があり、カメラがどの位置にあるのかも
矢印で示されていました(衛星の左下)。
ど素人の私に説明員(研究員)さんがわかりやすくいろいろ説明してくださり
満足度がぐっとアップ(笑)。
大々的に報道されたこととモニタの地球と月映像もあいまってブースは大人気でした。

あと映像ではないですが、すごいなーって思ったのが

・音声認識技術
・極薄スピーカー(丸められる紙みたいな代物)


の2つです。
前者は生放送のアナウンサーのしゃべりを
まんま音声認識して正確に出してる!すごい~。
これって相当サンプルを集めて研究したんでしょうね。
担当者らしき方が熱心に説明されていました。
後者は文字通り薄い薄いスピーカー、これなら狭い我が家でも22.2chができる?かも(笑)。

会場はビジネスマンや学生さん、近隣住民やNHKOBの方々で一杯でした。
明日明後日と混むと思うのでいかれる方はご注意ください。

ぱっと見地味なイベントですが入場は無料で最新の放送技術が見られます。
GWでお金を使い果たした方、砧公園で散歩がてらに行くのもいいでしょう。
毎年行ってる私は技術の進歩が眼に見えてわかるのでとても楽しいです^^。

レビューは以上です。
長文にお付き合いいただきありがとうございましたm(__)m。


当ブログ関連エントリ
・スーパーハイビジョン in 「NHK技研公開2007」
・スーパーハイビジョン in 「NHK技研公開2006」

|

« 月に一度のお勉強I(2008/5月分) | Main | 蒸しっ »

Comments

いいなぁ、技研の公開。行ってる余裕ないからなぁ・・・

Posted by: みらぁじゅますた | May 23, 2008 10:27 PM

今年は忙しくなっちゃいましたね。
でも来年もありますから・・・。

インターバルが取れたら連絡ください。


Posted by: shamon(みらぁじゅますたさんへ) | May 23, 2008 11:12 PM

 shamonさん、毎年レポート、ありがとうございます。流氷と空撮が激しく観たい(^^;)

 インテグラル立体テレビ、そーですか、よちよち歩き。結構これ期待しているので、頑張ってほしいものですね。

>>ムーンハイビジョンカメラ
>>「?」と思って近づくとその黒いのは
>>カメラケースを覆う断熱材
>>薄いアルミと網を交互セットで10層に重ねたものですが、
>>「こんなんでも大丈夫なんだ、おーっ。」て感じかな(笑)。

 以前仕事で聴いたのですが、宇宙機器の断熱材はこういうのが標準とのこと。で、実は日本ではパートのおばちゃんがこれを縫い付けて作っているとか。最先端の宇宙も実はローテクが支えているということみたいです。

Posted by: BP | May 24, 2008 05:28 PM

まいどでぇっす^^。

>流氷と空撮が激しく観たい(^^;)
じゃあ電通で、でも回線大丈夫?(冗談です^^;)。


>結構これ期待しているので
ハイビジョン映像をレンズアレイ(昆虫の複眼みたいな機械)を通して観客見せてました。
でも去年よりはかなり精度が上がってたので来年またチェックしときます。

>最先端の宇宙も実はローテク
日本のアニメも手が支えてるのと同じですな^^。

Posted by: shamon(BPさんへ) | May 24, 2008 08:44 PM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference スーパーハイビジョン in 「NHK技研公開2008」:

» 【技研公開2007】についてブログや通販での検索結果から見ると… [気になるワードを詳しく検索!]
技研公開2007 をサーチエンジンで検索しマッシュアップした情報を集めてみると… [Read More]

Tracked on Jun 09, 2008 03:53 PM

« 月に一度のお勉強I(2008/5月分) | Main | 蒸しっ »