おふらんすな日々 その3「Reims~Basilique ST-Remi」
『クリスチャンになるのだ』
「Esquire」2001年1月号 p74 藤田嗣治、「神とシャンパンとシャンパーニュ」より
ランスの市街地から歩いて20分の地に建つサン・レミバジリカ聖堂。
ノートルダム大聖堂を観たあと軽い昼食を済ませた私たちは
石畳をてくてくと歩いてこの寺院にやってきました。
1000年の歴史を持つロマネスク様式とゴシック様式を併せ持った
美しいけれどどこか奇妙な建物です。
冒頭の言葉を発したのはエコール・ド・パリの寵児、藤田嗣治。
上の写真は聖堂内にあるサン・レミ司教の祭壇、
藤田はこの前でこの言葉を口にしたのです。
そしてこの後彼はノートルダム大聖堂で洗礼を受けレオナールとなりました。
藤田がなぜ突然そのような言葉を口にしたのかはわかりません。
エコール・ド・パリの寵児として日本よりもここフランスで活躍した彼が、
大戦後に祖国の冷たい仕打ちに絶望してこの国に帰化したことを考えると
ローマン・カトリックに傾倒していったのは自然なことだったかもしれません。
以下、この聖堂の写真をどうぞ。
聖堂の正面は↓な感じ。
ノートルダムの縮小版と言った感じですが、この右側は
となっていて、曲線(ロマネスク風?)が主体。
でもって左側は
てな具合に直線が主体(ゴシック風?)。
別々に写真を撮ると全く別の建物のようです。
最初からこうだったのかそれとも途中でどちらかを建て増したのか・・・。
内部は
これは玄関から入った正面にあった祭壇?とステンドグラス。
そして
玄関から入り突き当たって左側を撮った写真です。
整然と並ぶ椅子とアーチが美しい。
ノートルダム大聖堂と違ってここを訪れる人はほとんどおらず
貸切状態でした(入場は無料です)。
光と静寂が支配するこの空間では言葉を発するのもはばかられ
私も相方も無言で聖堂内を眺めてはカメラのシャッターを押しました。
↑は突き当たりの右側、サン・レミ司教の祭壇の上部です。
何段にも重ねられたアーチとステンドグラスが目を奪います。
注がれる天からの光、美しく荘厳な雰囲気が漂っていました。
美しいステンドグラスはシャルル・マルクという人物の手によるもの、
後に彼は藤田デザインのステンドグラスを手がけることとなります。
最後の写真は正面玄関上部のステンドグラス。
もろ逆光だったこともありこんな感じになりました。
下のドアから外がちらっと見えています。
外に出てもう一度聖堂を眺めました。
そして私たちは再び駅に向かって歩き出しました。
参考文献:「Esquire日本語版2001/1月号 ワインに愛された奇才たち特集」
「神とシャンパンとシャンパーニュ」p70-p74より
2007年フランス旅行エントリ
・おふらんすな日々 その1「出発~Gare de l'Est」
・おふらんすな日々 その2「Reim~Cathedrale Notre-Dame」
当ブログ 藤田嗣治関係エントリ
・「美の巨人たち」藤田嗣治特集(2006/4/8)
(乳白色の秘密及びシャンパンと藤田の関係)
・藤田嗣治展(2006/4/15)
(2006年春、東京で開催された回顧展のレビュー)
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