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Oct 30, 2007

おふらんすな日々 その4「Reims~ CHAPELLE FOUJITA」

和魂洋才、ここに眠る。

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サン・レミ聖堂を出て一度駅に戻った私たちは軽くお茶をした後
再び地図を手にさっきとは違う方向に足を向けました。
迷路のようなランスの街を迷い迷ってたどり着いた小さな礼拝堂は
シャンパン色をした日の光に包まれていました。
 
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愛らしい礼拝堂の名は「CHAPELLE FOUJITA」、
故藤田嗣治が建てた礼拝堂です。
「Esquire」を読んで以来、この礼拝堂を訪れるのが私の夢でした。
その美しい外観をどうぞご覧ください。

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礼拝堂の玄関の両脇には二つのレリーフ。
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左側は魚や貝と人魚。
魚はシェンキビッチの「クォ・ヴァディス」を思い出させる柄です。
右側はヤギと十字架に洗礼後のレオナール・フジタの頭文字。

小さな礼拝堂の中に入ると藤田の最後の作品となる宗教フレスコ画が
様々なモチーフと共に色鮮やかに迎えてくれます。
入った正面には聖母マリアと参列する人々の中に藤田と君代夫人、
両側の壁には藤田がデザインしサン・レミ聖堂担当のマルクが制作したステンドグラス、
そして右側には2003年から藤田が眠る祭壇がありました。
その祭壇には藤田の写真がそっと置かれていました。
#内部は撮影厳禁です。訪れても記録ではなく記憶に残しましょう。

この礼拝堂の隣には「カサブランカ」で有名なシャンパンメーカー・マム社があります。
半世紀前、ここのシャンパンのボトルデザインを手がけたことから
当時マム社の社長ラルーと藤田は無二の親友となりました。
ラルーは後にクリスチャンとなった藤田のために
この敷地を提供し資金の援助をしました。
藤田は隣にある邸宅の一室を借りて寝泊りし、
完成まで一日も休まず壁画を描きました。
庭の芝生、石の配置にいたるまで彼のデザインによるものです。
そして完成した時、藤田は

『私が死んだら、ここに埋めてくれ』

とラルーに伝えました。

礼拝堂が完成した2年後、藤田は天に旅立ちます。
夫人の意思で荼毘にふされ一度はパリに葬られたものの、
死後し数十年を経て彼の意思に基づき2003年にここに改葬されました。
祖国を出て数十年異国の地で奮闘し続けた彼の旅がようやく終ったのです。
きっと安らかに眠っていることでしょう。

礼拝堂があるこのランスは、シャンパンの生産地として名高いところ。
藤田は他のエコール・ド・パリの画家たちのようにシャンパンが大好きでした。
彼の絵に出てくる金色はきっとシャンパンの色だったのでしょうね。

礼拝堂から出ようとした私に礼拝堂の係員さんが
「Japonaise?」
と声を掛けてくれました。振り向いて
「Oui」
と答えると、係員さんはにっこりと笑ってくれました。
彼らにとって藤田は自国に帰化してくれた芸術家、
私たちと同じように国の誇りなのでしょう。

門を出てもう一度礼拝堂を眺めました。
差し込む日の光は一層金色を帯びて礼拝堂を包んでいました。
礼拝堂に別れを告げ、私たちは金色の光の中パリへ戻るべく駅へと急ぎました。


参考文献:「Esquire日本語版2001/1月号 ワインに愛された奇才たち特集」
       「神とシャンパンとシャンパーニュ」p70-p74より

2007年フランス旅行エントリ
おふらんすな日々 その1「出発~Gare de l'Est」
おふらんすな日々 その2「Reim~Cathedrale Notre-Dame」 
おふらんすな日々 その3「Reims~Basilique ST-Remi」

当ブログ 藤田嗣治関係エントリ
「美の巨人たち」藤田嗣治特集(2006/4/8)
(乳白色の秘密及びシャンパンと藤田の関係)
藤田嗣治展(2006/4/15)
(2006年春、東京で開催された回顧展のレビュー)

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Comments

こちらでは、はじめまして。
フランスにご旅行ですか、素敵ですね。お写真も素晴らしい。
あまりパソコンの前にいる時間が取れないのですが
ワインの事など興味深い記事がいっぱいなので
また寄らせていただきます♪

Posted by: mabuki | Oct 30, 2007 at 10:24 PM

こんばんわ
はじめまして。ブログへのコメント、ありがとうございました。
私が訪れたのはもう1年も前になってしまいましたが、11月から非公開になるのを知り、あわてて駆けつけたのを思い出しました。

藤田の金色はシャンパンの色・・・本当にそうですね。この礼拝堂の中の色使いはまさにそんな感じでした。

Posted by: credenza | Oct 30, 2007 at 11:43 PM

お世話になっております。コメントありがとうございます。

フランス旅行は2度目でようやく慣れたかなって感じです。実は知り合いを訊ねての旅だったのですが、それについてはまたこれから^^。またお越しいただければ幸いです。

いろいろとお忙しい様子、どうぞご自愛ください。

Posted by: shamon(mabukiさんへ) | Oct 31, 2007 at 07:52 PM

こんにちは。コメントありがとうございます。

藤田の想いが伝わってくるような素敵な礼拝堂でしたね。
また別の季節に行きたいですが如何せんフランスは遠い(笑)。

>この礼拝堂の中の色使いはまさにそんな感じでした
ブルーと茶色も目立つ色でしたね。
実際に写真で見るよりも色合いが優しい気がしました。

お住まいになっていたブリュッセルは
後輩が家族ぐるみで駐在していた街です。
幾度か「遊びに来てください」と誘われていたのですが結局行けずじまいでした。勿体無いことしたなぁ(笑)。

これからもよろしくお願いします。

Posted by: shamon(credenzaさんへ) | Oct 31, 2007 at 07:57 PM

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