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Aug 14, 2007

「~紙芝居からSFアートまで~武部本一郎展 永遠のヒーロー・ヒロインの世界」

美術館公式サイトはこちら

青の零号さんの記事がとてもおもしろかったので、
友人とのランチ後、炎天下汗を拭き拭き歩いて観てきました。

数多くの児童書の表紙や挿絵を描き、
後にSF小説の挿絵を多く描いた武部本一郎さんの個展です。
小学校から中学にかけて、この方の絵が入った推理小説と
SFにどっぷりとつかった私には懐かしく楽しい展示会でした。

この方の名前を知らなくても絵を見て育った人は多いはず。
戦時中の上野動物園の象の悲劇を描いた

Kawaisounazou_2 
の絵はこの武部さんの手によるものです。

さて、会場となった弥生美術館は住宅街に佇むこじんまりとした建物、
出版美術(ポスターや雑誌などのイラスト)を対象とした美術館です。
場所は東大病院の裏。ちょっとわかりにくいのが難点。

展示内容は前半が児童文学書の表紙や挿絵、原画がないのか
出版されたものが多く展示されていました。
江戸川乱歩の明智小五郎シリーズ、シートン動物記や
ジュニア向けに出版されたSF小説本など懐かしいのが一杯。
「あ、あれも読んだ。これも読んだ」と一人でぶつぶつ^^;。
つくづくお世話になったものです(笑)。
日本SF界の父、福島正実さんがジュニア向けに抄訳された
ハインラインの「宇宙の孤児」(実際の本のタイトルは違ってます)もありました。
このシリーズ全部読んだんだよね~。懐かしい~(TT)。

後半は武部さんの名前を一躍有名にしたSF小説の表紙と
挿絵の原画がずらっ。イチオシは
Marsprincess

バローズの「火星のプリンセス」からデジャー・ソリス姫、です。
20cm四方ほどの小さな原画ですが、保存状態も良くとてもきれいでした。
近寄ると自分の影で作品が見えづらいのが難点^^;。
小説は未読だけど(ペルシダーシリーズしか読んでない^^;)、
この表紙絵なら本に手が出てしまいそう。
姫が捕らわれとなったシーンとかの挿絵もあり、
このシリーズのファンの方はたまらないでしょう。
バローズの他の人気シリーズ(ターザンとか月シリーズ)の原画もあり、
片隅には表紙を飾ったヒロインたちのコーナーまでありました。

武部さんが描くバローズ作品のヒロインたちは皆憂いを秘めた美しさで
欧米画家達が描く女性のようなバタ臭さがありません。
会場に置いてあった冊子によるとモデルは奥様。
どこか東洋的な美しさがあるのはそのためでしょう。
SFに出てくる空想の世界を描いた武部さんですが、
ご自宅の庭は薔薇が咲き誇り、美しいものがお好きだったそうです。
デジャー・ソリス姫の美しさはその庭から生まれたものかもしれませんね。

場所がわかりにくいのが難点ですが、入場料も800円と安いし、
観ても損はしない展示会です。
武部さんが描いた素晴らしい世界にどうぞ浸ってください^^。

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Comments

shamonさんも行かれましたか。この暑い中、お疲れさまでした。
あの場所はわかりにくいですよね。サイトの地図を見て行ったのに
現地に着いたらいきなり逆方向に進んでしまいました(笑)。

展示のほう、お気に召したようでよかったです。
この手の展覧会は内容がいいのに意外と人に知られてないので
ぜひご紹介したいと思った次第です。
デジャー・ソリスもすばらしいですが、『火星の秘密兵器』の表紙を飾る
颯爽としたタヴィアの絵も印象的でした。
それと『金星の魔法使』の表紙、明らかにモローの「出現」が原型ですね。
初めて見た当時は全然気づきませんでしたが。

>片隅には表紙を飾ったヒロインたちのコーナーまでありました。
白黒画でバローズのヒロインたちを描いたものでしょうか?
あれは確か昔のSFマガジンに掲載されたものです。
古本屋で見つけて大喜びで買って帰った覚えがあるので
うちにもあるはずですが…はて何号だったっけ?

Posted by: 青の零号 | Aug 16, 2007 at 12:17 AM

こんにちは~、コメントありがとうございます。

いやーいい展示会を教えていただいて感謝感謝です^^。

>いきなり逆方向に進んでしまいました(笑)。
湯島の地下鉄出口を出て右に歩き
すぐの信号をまっすぐ渡り
左に東大病院を見ながら
坂を上って三叉?のところで左に曲がって
坂を下りていく途中の左側、でしたね。
実は私も一瞬迷いました^^;。
東大病院のおかげでたどり着けましたが、
地下鉄の出口に美術館の案内くらい
出しといてほしかった(^^;)。
よっぽど迷う人がいるのか
美術館では受付の方が電話での問い合わせに
丁寧に説明されていましたよ。

火星シリーズの一連の絵はすばらしかったですね。青の零号さんが絶賛なさっていたジークフリードは私も眼にとまりました。

>白黒画でバローズのヒロインたちを描いたものでしょうか?
そうそう、2Fの左奥にあったコーナーです。
武部さんが描いた美しいヒロインたち、
もういちど観たいです。

Posted by: shamon(青の零号さんへ) | Aug 16, 2007 at 11:09 AM

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東京の弥生美術館で、ただいま「武部本一郎展」が開催中です。 武部氏といえば、ある年代以上のSFファンにとっては今も「日本一のSF画家」。 そして氏の描いた「火星のプリンセス」デジャー・ソリスは、SF史上に燦然と輝く 不滅の傑作です。 というわけで生ソリスを見るべく、猛暑の中を根津くんだりまで行ってまいりました。 今回は武部氏の没後初めての回顧展となるそうで、氏がSF画家として名を成す前の 紙芝居や児童書の挿絵に始まり、くだんのデジャー・ソリスが表紙を飾ったバローズの 『火星のプリンセス』を含む数々... [Read More]

Tracked on Aug 15, 2007 at 11:02 PM

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