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Jun 27, 2007

「ナ・バ・テア」森博嗣

日々繰り返される生と死の空中ダンス、
あの焦げついた夜の出来事が”僕”だけを置き去りにしていく。

「スカイ・クロラ」のヒロイン草薙の物語、「ナ・バ・テア None But Air」

先だってアニメ化が発表された「スカイ・クロラ」の原作シリーズ第2弾です。
続編ではありますが、時系列的にはぐっと遡り
草薙がまだ一パイロットだったころのお話になっています。
少々ネタバレも含みますのでこれからお読みになる方は以下ご注意ください。

「スカイ・クロラ」と同じく一人称で綴られる文章は簡潔で美しく、
ドッグファイトの描写もさらに磨きがかかってます。
そして「スカイ・クロラ」アニメ化に関して押井監督が述べた

「恋愛とは、出会って深みにはまった所から始まるのであって、どう恋愛の落としどころを表現するのかということですよね。恋愛は行く末を描かなければ、恋愛を描いたことになりません」(公式サイトレポートより引用)

が実に良くわかる物語です(苦笑)。そう、恋愛要素がしっかり入っている。
「ナ・バ・テア」の要素を映画に入れ込むかは現時点では不明ですが、
草薙の重要な過去話なので是非とも入れてほしいですね。
そのせいか作品中に流れる空気は透明だけれど
ハードカバーの装丁のようにどこかたそがれてる気がしました。

物語の軸となるのは草薙と天才パイロット”ティーチャ”の関係、
草薙のティーチャへの感情がうねっていく様が丁寧に描かれてます。
その気持ちが最高潮に達するのが本編に出てくる

彼になら、撃ち落されてもいい。
そう願った
「ナ・バ・テア」本文p259(ハードカバー)

のくだり。
新型飛行機のテストパイロットとして飛ぶ草薙と
その撮影のためカメラマンを乗せたティーチャが
繰り広げるドッグファイトの1シーンです。
ここが一番好きですね。
目標とする相手を打ち負かしたい、
でも彼にならやられても本望、
そんな高揚感が伝わってくる。
けれどその後あることからティーチャが取った行動は・・・。

「スカイ・クロラ」の透明な空気が気に入った方なら
たぶんこの物語も気に入るでしょう。
ラストはしっかりと続編「ダウン・ツ・ヘヴン」に繋がって
希望を持たせてくれます。

関連サイト
「スカイ・クロラ」公式サイト

☆当ブログ関連エントリ
押井守新作は「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」

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