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May 11, 2007

「澁澤龍彦 幻想美術館」

幻想と退廃、耽美の世界へようこそ。

埼玉県立近代美術館で開催中。公式サイトはこちら
まず澁澤龍彦(人物についての説明を公式サイトより引用)

(引用ここから)
フランス文学者、小説家、美術エッセイストである澁澤龍彦(1928-1987)の没後20年を記念する展覧会です。(中略)本展は、雑誌「コドモノクニ」などに熱中した「昭和の少年」としての顔に始まります。文学の世界では、マルキ・ド・サドやユイスマンスの翻訳者・紹介者として脚光を浴びますが、澁澤は一方で既存の美術史の枠にとらわれることなく、多くの美術家たちを紹介しました。マニエリスムの時代からシュルレアリスム、近世から同時代の日本の美術家まで、澁澤が紹介した美術家の作品を展示し、その嗜好や視点を探ります。また、1960年代は三島由紀夫や土方巽、唐十郎など、文学や演劇、美術の先鋭たちがジャンルを超えて緊密に結びつく時代でした。澁澤の周囲には、引き寄せられるかのように芸術家たちが集まり、一種のサロンの様相を呈していたといわれています。そのような交友のなかで、澁澤龍彦が時代をどのようにリードしてきたかを検証し、その美的視野の全体像を提示しようとする展覧会です。(引用ここまで)

澁澤の著作は学生時代本屋の棚で見つけて数冊買って読みました。
日本のエドガー・アラン・ポーという雰囲気も無きにしも非ずの澁澤ですが、
ポー作品を「精緻な彫刻を施した黒い宝石」とするなら
澁澤作品は「茶色がかった分厚い黒い布」って感じで私の中では微妙に違います。
好きだけど今ひとつ全体像がつかめなかった作家の素顔を知りに
強風の中(何度止まった京浜東北^^;)行って来ました。

で、肝心の感想は

私には濃すぎますorz。

新緑に包まれた美術館での展示だったせいか、
展示会場に広がる世界との落差が凄すぎ^^;。
古今東西の幻想と退廃と耽美とフェチズムをぎゅっと圧縮した内容に圧倒・・・。
澁澤を全く知らない人にはとてもついていけない内容です。
まかり間違っても殿方は何も知らない女性を連れて行っちゃいけません。
でもって18歳未満にはたぶん×(独特の性的描写があるので)。

と随分な書き方してますが、好きな方には楽しめますよ。
名だたる芸術家達との交流の説明と共に、
彼らの作品たちがずらっと居並び、300%澁澤ワールドを構築してます。
その濃さに圧倒されながらも知らない画家の作品もたくさんあって
楽しめました。目に留まった、気に入った作家別にレビューです。

武井武雄
澁澤が子供の頃大きく影響を受けた童画作家。
「噴水」「おばけのアパート」が展示。どちらも優しい色彩の楽しい絵。
お化けがいっぱいのアパート、いっぺん住んでみたいです^^。

☆中村宏
一つ目の女子学生たちが乗った電車の中央には海が移った望遠鏡。
不思議な世界を描いた「望遠鏡列車」に目が釘付け。
Bouenkyouressya
なーんと!つい最近まで東京都現代美術館で個展が開催されてました。
腰痛で死んでたよ~悔しい~(TT)。その公式サイトはこちら
なんだか日本のマグリットみたいですね。これから要チェック決定。

☆谷川晃一
中村宏が”マグリット”ならこっちは”ピカソ”かも(笑)。
鮮やかな色とピカソ風の線で彩られた絵は目を惹きます。
「熱帯『絵次元』のうち『展翅箱』にために)「禅の研究」「枯草の夜」が展示。
「熱帯」はハイビスカス等の花をモチーフにしているのでしょうが、
見た目ロールシャッハテスト(笑)。


☆高松潤一朗(ネットで過去の展示会サイトを見つけました。こちらへ
過去の展示会サイトに飛んでいただければわかりますが、
なんとも説明しがたい幻想的な作品だらけです。
で、本展には「死出の舟」「森の精」が出品。「死出の舟」は↓
Sidenofune
凄い絵です(^_^;。相反するものが同時に存在していて
言葉にしがたいオーラを発している。
ちょっと家には飾れそうにないなぁ^^;。でも好きです、この絵。

☆城景都
「白夜の哲学」の一品だけ。
けれど植物と女性が入り乱れた摩訶不思議なこの鉛筆画は
ぱっと目を惹く白い芸術で澁澤の白い面を表してるのかなって
気がしました。

☆秋吉巒(らん)
この人は日本の”ヒエロニムス・ボス?。その「天使たちの島」をご覧あれ。
Tensi0705

空のピンク色?と手前の不気味な建物や登場人物が不思議なハーモニー。
数年前、没後22年を記念して遺作展があった様子。それはこちらをどうぞ。

☆ハンス・ベルメール(^^;
気に入ったのとはちょっと違いますがインパクト強すぎたので入れておきます。
エッチングやリトグラフが数点、あとは「人形の遊び」からのコラージュ。
ベルメールの人形は「イノセンス」(押井守監督)のガイノイドのモデルになってますが、
実際のコラージュはそのガイノイドとはレベルが違う強烈さ(^_^;。
なんつーかその・・・・フェチズムの塊ですね、はい^^;。
#「イノセンス」のガイノイドが組み上げられていくオープニングは
#ベルメールへのオマージュもあるのでしょうが、
#あまりにも奇麗に作りすぎ(^_^;>押井監督。

コラージュ以外のリトグラフやエッチングは美しい線が堪能できます。
蝶型に開いた両手のひらの目が見つめるものは何?な「無題」
美しい女性の髪の中でこちらを見つめる顔が不気味な「1900年風景」。
どちらもオススメ。

☆サルバドール・ダリ
澁澤の著書「シュルレアリスムの思い出」より4点が出品。
「シュルレアリスティックな時計の看護」がよかったです。
大きな部屋の中の大きな瞳の中の時計と床の蝶たち。

☆パブロ・ピカソ
「眠る女を愛撫するミノタウロス」「二人の裸婦」「バンデリーリャ」
が出品。この中では「二人の裸婦」かな。
太い線とベージュで彩られたどこかユーモラスな女性像。

☆ルネ・マグリット
こちらも「魅せられた領域」より4点。
「扉がビロードのような夜に通じ・・」がお気に入りです。
木の葉に止まった鳥たち。マグリットが好んだモチーフです。

☆ポール・デルヴォー
「夜の通り(散歩する女達と学者)」「森」が出品。
大きいのは前者ですが、私は後者がいいかな。
深い緑、森の中の天蓋の下佇む裸婦に暗闇の中走り去る列車。
うーん、いいなぁ。これでこそデルヴォー^^。

☆ギュスターヴ・モロー
「救済される聖セヴァスティアン」の精緻な描写が素晴らしい。
モローの本領発揮ですね。
「不和の女神」「出現」「ユピテルとセメレー」
などのエッチングも細い線が美しく
ずっとみていても飽きません。モロー好きの方は見逃さないでくださいね~。

他にもありますが、きりないのでこのへんで。
絵以外にも澁澤の書斎や写真や海外から送った絵手紙等も
展示されていて彼の足跡を辿ることが出来ます。
また彼の書斎については
鎌倉文学館で現在「澁澤龍彦 カマクラノ日々」が開催中。
合わせて見るとおもしろいかも。

長々と書いてきましたが、澁澤エッセンスがぎっちり詰まったこの展示会、
私のような浅い澁澤ファンもディープな澁澤ファンも
一度は見て損はないです。
またこの美術館は北浦和駅から近い公園の中にあって、
この季節お散歩には最高^^。
でもお友達を誘う場合は「澁澤って読んだことある?」
と聞くほうがいいかも。でないと・・・です(苦笑)。

以上でレビューは終了です。
長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございましたm(__)m。

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Comments

早速こんばんは♪
shamon さんすごい!すぐに書けちゃうんですね。
レビューだけで濃い~感じがびしびし伝わってきます。
きっとコレ企画するの、楽しくて仕方なかっただろうな~なんて、裏方さんを羨んだりして・・・(笑)

Posted by: Manbou | May 11, 2007 at 10:40 PM

こんばんは。
TBありがとうございました。

確かに濃すぎる展覧会だったかもしれません。
贅沢な悩みとしては。

澁澤を好きでなくとも
作品だけ見て充分楽しめる展覧会でした。

Posted by: Tak | May 11, 2007 at 11:39 PM

こんばんは~、コメント感謝です^^。

>すぐに書けちゃうんですね。
いえ、すぐに書かないと忘れるんです(爆)。

とにかく濃い~内容です。
ご覧になるならその濃さに当てられないようご注意ください(笑)。

Posted by: shamon(Manbouさんへ) | May 12, 2007 at 08:20 PM

こんばんは^^。コメント&TB感謝です。

>贅沢な悩みとしては。
正直押井好きの私でもベルメールは引きました^^;。
すごいですよ、あのコラージュ。

>作品だけ見て充分楽しめる展覧会でした。
幻想モノ好きの人には最高ですね^^。
一部を除いて(爆)。

Posted by: shamon(Takさんへ) | May 12, 2007 at 08:21 PM

 shamonさん、こんばんは。TBとコメント、ありがとうございます。なんか濃くって凄くひきつけられます。

 いつもは絵の引用をされないshamonさんがあえて画像を使った中村宏、高松潤一朗、秋吉巒氏。どれも素晴らしいですね。
 やはり澁澤龍彦と、その影響を受けられているであろう今回のキュレータの方の趣味はとても深いのでしょうね。会場の雰囲気がビシビシ伝わってきます。

 出張、ないかなーー(^^;)。

Posted by: BP | May 12, 2007 at 10:19 PM

まいどです^^。

>なんか濃くって凄くひきつけられます
もう濃すぎて言葉もでませんでした(大笑)。
めったに手に入らない極上の年代モノの赤ワインかな。

>中村宏、高松潤一朗、秋吉巒
めくるめく幻想と怪奇の世界でしたよ^^。
特に中村宏は注目ですね。

>出張、ないかなーー(^^;)。
ほんとにねぇ^^;。
図録なら手に入れられるかも。
美術館に問い合わせてみてくださいまし。

Posted by: shamon(BPさんへ) | May 12, 2007 at 11:59 PM

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