« 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society O.S.T」 | Main | Chateau Rieussec 1940 »

Dec 02, 2006

「ベルギー王立美術館展」

公式サイトはこちら

「豊穣のベルギー美術400年の歴史を展望するもの」という謳い文句でバラエティに富んだ構成でしたが、私は”小粒”な印象を受けました。
映画で言えば佳作ってとこかな?
正直ルネ・マグリット目当ての私にはちょっと不満。まあ上記の謳い文句を考えれば点数(3つ)は妥当なのかも知れません。
またポスターに載った「イカロスの墜落」が意外に小さい絵なのにも拍子抜け^^;。

とはいえ気に入った絵もありましたので、以下箇条書きにて。

「港」パウル・ブリル
広々とした構図に帆船が数隻。金色の色調がターナーっぽいです。

「マリモンの城と庭園」デニス・ファン・アルスロート
広々とした青空の下に緻密に大きな城と庭園が描かれてます。下部には小さく描かれた人々の列が「視点の高さ=神の眼」を物語る。大きくて色彩がルソーに似てるせいか人気を集めていました。

「地獄のアイネイアス」 ヤーコプ・ファン・スワーネンブルフ
天国と地獄の狭間が生々しく描かれています。怖いんですがなぜかこういう絵は大好き。

「ヴァニタス」 コルネリス・ハイスブレフツ
これもどちらかというと気持ちの悪い絵^^;。
ガラス棚の中の髑髏、壁には手紙や鋏を挟んだ皮ひも。
それぞれのモチーフは一体何を意味しているんでしょうか。

「アントウェルペンのシント・カロルス・ボロメウス教会内部」
ヴィルヘルム・シューベルト・フォン・エーレンベルク

奥行きを感じさせる構図がいいです。荘厳な協会の内部も緻密に描写。

「冬景色」 ジャック・ダルトワ
夕焼けの雪道を歩く人々。画面左上部を占める夕焼け色と雪の白がいい具合にマッチング。

「窓辺の男」アンリ・ド・ブラーケレール
窓辺に立ち外を眺めている男性。何を見ているんでしょう?
まるで映画のワンシーンのよう(笑)。
窓から見える風景にマランジュを思い出します。

「秋の朝、アンセレム」 イポリート・ブーランジェ
今の季節にピッタリな絵でした。黄色に染まる木の葉が朝焼けに溶け込むよう。

「燻製ニシンを奪い合う骸骨たち」 ジェームズ・アンソール
一番小さい油絵でしたけど印象が強烈^^;。
鰊の赤が人の血のように思えます。間違っても部屋には飾りたくない^^;。

「トリスタンとイゾルデ」 ジャン・デルヴィル
セピア色の光を背に横たわる恋人達が幻想的に描かれています。
出展されていた素描ではイチオシ。

「陽光の降り注ぐ小道」   エミール・クラウス
並木道にこぼれる陽光と影の中を歩く牛たちが歩く。緻密な描写だけど息苦しさを感じさせない。

「太陽と雨のウォータールー橋、3月」エミール・クラウス
太陽は照っているのに雨が降っている、そんな不思議な風景画。

「夜汽車」 ポール・デルヴォー
レンガ色、群青に白で彩られたおなじみデルヴォーワールド。
説明しがたい静寂さに心惹かれます。

「光の帝国」ルネ・マグリット
一番見たかった絵です。
一見何気ないようで不思議な風景は、非日常が日常と隣り合わせであることの象徴?

個人的にはやや不満だけど一通り名画を愉しみたいって方にはよいかもしれません。上野公園は今銀杏並木がきれいですしお散歩がてらにオススメします。
お土産は
Ouritu1201
左上「イカロスの墜落」
左下「「窓辺の男」
右上「地獄のアイネイアス」
右下「太陽と雨のウォータールー橋、3月」

Ouritu1202

(ううっ、写真ゆがんじゃった^^;)。
左上「秋の朝、アンセレム」
左下「「夜汽車」
右上「陽光の降り注ぐ小道」
右下「光の帝国」

来週(12/10)で終ってしまうので観たい方はお急ぎくださいませ。

|

« 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society O.S.T」 | Main | Chateau Rieussec 1940 »

Comments

こんばんわ、青の零号です。
行った人に図録を見せてもらったのですが、おっしゃるとおり
全体的に小粒な感じが否めません。
やっぱり有名どころは国内から流出しちゃってるんでしょうか。
リアルと幻想がギリギリの線でせめぎあう傑「光の帝国」は
一度は見ておきたいんですけどね。
象徴派好きの私としては、メルリやデルヴィルも気になりますし。
終了まであと1週間、行くかどうかで迷ってます。

Posted by: 青の零号 | Dec 02, 2006 09:57 PM

いまさらですが、「光の帝国」は「傑作」です。
いきなり脱字で失礼しました。

Posted by: 青の零号 | Dec 02, 2006 10:04 PM

こんばんは^^。コメント感謝です。
青の零号さんの「傀儡廻」考察、興味深く拝見しました。面白かったので他の方にもオススメさせていただきます。

この展示会、正直1400円(割引券で1300円)を払うには”微妙な”中身でした^^;。悪いとも言い切れない、かといって積極的に勧められない。
不満の理由には内容だけでなくマグリットグッズが少なかったってのがあります。カレンダーの絵もイマイチだし、クリアファイルがなぜないの~っ!!!

>いまさらですが、「光の帝国」は「傑作」です。
>いきなり脱字で失礼しました。
ええ勿論存じておりますわ(カルラ風にお返事いたしました^^)。

Posted by: shamon(青の零号さんへ) | Dec 02, 2006 10:54 PM

こんばんは。
2回目行ってきました~(^o^)丿
今回印象深かったのは、意外にも、
「マリモンの城と庭園」デニス・ファン・アルスロートでした。自分でもビックリです。
大名行列が一番手前じゃなかったんですね。
左下の人と馬二頭、そして左端の木が一番目。
次が騎馬隊、そして、城、平野、山の順。
マグリット、今回は「血の声」に注目して鑑賞してきました。そして「秋の朝、アンセレム」にも。
前庭のイルミネーション綺麗でした~(^_^)/

Posted by: りゅう | Dec 02, 2006 11:53 PM

こんにちは^^。コメント&TB感謝です。

>「マリモンの城と庭園」デニス・ファン・アルスロートでした
構図が素晴らしいですよね。最初はぱっと空に目が行くけれどそのまま見る側の視線を上手に誘導してる。

>前庭のイルミネーション綺麗でした~(^_^)/
ううっ、見損ねた~。

Posted by: shamon(りゅうさんへ) | Dec 03, 2006 05:00 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「ベルギー王立美術館展」:

» ベルギー王立美術館展 [隆(りゅう)のスケジュール?]
国立西洋美術館で開催中の「ベルギー王立美術館展 ブリューゲル、ルーベンス、マグリット、デルヴォ-・・・巨匠たちの400年」を観に行きました。この展覧会は、ブリュッセルのベルギー王立美術館の所蔵品より、16世紀のフランドル絵画から印象派、象徴主義を経て20世紀の超現実主義(シュールレアリスム)絵画まで、およそ400年にわたるベルギー絵画の歴史を紹介するものだそうです。 ~展示内容~古典油彩 古典素描 近代油彩 近代素描 まずは、ピーテル・ブリューゲル[父](?)《イカロスの墜落》から。いきなりの目玉商... [Read More]

Tracked on Dec 02, 2006 11:38 PM

» ベルギー王立美術館展 [Biting Angle]
最終日にすべりこみで「ベルギー王立美術館展」に行ってきました。 どうしようか迷ったけど、やっぱりマグリットの「光の帝国」は見たかったもので。 今回の催し、ベルギー絵画400年の歴史を一望に見渡せるという点では 意義があると思いますが、作家やテーマを絞った展示内容ではないだけに、 全体的に散漫かつぎこちないな印象はぬぐえません。 大物作家の大作もいくつか混じってはいるものの、その傑出ぶりはか�... [Read More]

Tracked on Dec 11, 2006 01:57 AM

» 「ベルギー王立美術館展」 [弐代目・青い日記帳]
国立西洋美術館で開催中の 「ベルギー王立美術館展 〜ブリューゲル、ルーベンス、マグリット、デルヴォー…巨匠たちの400年〜」に行って来ました。 芸術の秋にふさわしく展覧会目白押しです。 皆さんと何処かの会場でニアミスしている可能性大。 で、この秋一番のお勧め展覧会がこの「ベルギー王立美術館展」です。 理由はいくつもあります。 1・ブリューゲルからマグリットまで約400年のベルギー絵画の歴史が観られる。 2・○○美術館展にありがちないい加減な作品で構成されていない。 (... [Read More]

Tracked on Dec 12, 2006 07:18 PM

« 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society O.S.T」 | Main | Chateau Rieussec 1940 »