「精霊の守り人」上橋菜穂子
運命に嘆き、運命と闘い
運命を受け入れて、少年は大人になっていく。
アジアの香りする暖かく厳しい愛に満ち溢れたファンタジー。
出版元による公式サイトはこちら。
来年NHKBS2での放送に向けてアニメ化が進行中。
制作はプロダクションIG、監督は「攻殻S.A.C.」の神山健治さん。
先日届いた軽装版でやっと読むことが出来ました。
女用心棒バルサと皇子チャグムの出会いから始まり
物語の舞台となる二つの世界とその謎に
登場人物たちの魅力に心を絡め取られたまま、
あっという間にクライマックスへ。
読了後胸に広がる幸せで暖かな感触に
何度も手に取りたくなる作品でした。
「攻殻S.A.C.」ファンなら
バルサに素子を重ねてしまうでしょうね。
したたかで強い女というだけでなく、
「過酷な運命を6歳で背負い生きること=闘いだった。」
バルサの軌跡は素子そのもの。
そして
そんなバルサを想い見守るタンダにバトーを見るでしょう。
近未来SFとファンタジーの違いはあれど、
両作品に共通するのは人を描く視線の暖かさ。
その部分に上橋さんと神山監督の縁を感じます。
アニメは来年の放送に向けて公式サイトがリニューアルされ
徐々に中身が明らかになってきました。
バルサを演じるのは俳優座の安藤麻吹さん。
音響はもちろん若林さん、キャスティングの妙を見せてもらえそう。
音楽を担当する川井憲次さんは神山監督とは「ミニパト」以来のコンビ。
「イノセンス」とは違う民俗的な音楽を期待かな^^。
作画監督は後藤さん、中村悟さん他が参加。いいですねぇ。
贅沢を言えば
日常生活の描写に沖浦啓之さん、
アクションに井上俊之さん
の原画参加を希望します(・・)/。
シリーズ通しては無理でも第1話だけでも・・・・・(^人^;)。
この2人あっての今のIGなんだし。
てな感じでアニメの内容も気になりますが、
まずは放映までに本屋に通い詰めることにいたしましょう。
ええ、続編を買いに(・・)。
全巻揃っちゃう日も遠くない、でしょう。きっと(笑)。
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Comments
こんばんは、『精霊の守り人』、今、1/3のあたりです。読みかけだけどちょっと面白さに興奮してコメントさせていただきます!>>自分のBlogに書けよ、と言われそう。
すごーい!これは傑作ですね。壷にはまりそう。まず出てくる人々の個性と、そして賢さが素晴らしい!ファンタジーとしての舞台設定、限定した空間の町の描写、いちいち感心して読んでます。(今ごろなんだと言われそうですが、、、。)
で、あと活劇の素晴らしさ!
まるで黒澤活劇を観るようではないですか!!逃げるバルサを追うモンの理詰めの思考パターンは、まるで複数名の脚本家で知恵を絞りあった黒澤映画のダイナミズムがあります。
今のところ、『ゲド戦記』+黒澤明、というのが僕の感想。そしてこの賢い登場人物たちに惚れて、きっと神山監督は映画化を決意したのでしょうね。
、、、すいません、一人で盛り上がって、、、。でも春のアニメ、ますます楽しみになりました。ではでは。
Posted by: BP@究極映像研 | Feb 10, 2007 01:07 AM
BPさん、毎度です^^。
おもしろいでしょ~?
舞台となる国の謎と不思議、アクション、胸が熱くなる人間ドラマ、よき物語の全てが詰まった傑作です。
私は「闇の守り人」まで終りました。
さっさと次行かなきゃ(^^ヾ。
1/3ってことはタンダの家に転がり込んだ辺りかな?
バルサの早速の「おかーちゃん」ぶり、なかなかでしょ(^-^)。
「攻殻」素子とこのバルサ、二人とも強い女性ですが、
素子がどこまでも「少佐」で「女」なのに対し、
バルサは人肌-"母"-のぬくもりを感じさせる女性ですね。
チャグムへ向けられる愛情には読んでいて胸が熱くなります。
>いちいち感心して読んでます。
世界観の構築には著者が民俗学者ってのが大きいと思います。本業でのフィールドワークの経験が生かされているのではないでしょうか。
「闇の守り人」ではより一層しっかりとした舞台設定がなされていてハマリますぞ^^。
>すいません、一人で盛り上がって、、、。
いえいえ^^。
BPさんのレビュー楽しみにしてまーす。
Posted by: shamon(BPさんへ) | Feb 10, 2007 03:38 PM