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Apr 11, 2006

Management By Walking Around

京都の一澤帆布カバンが相続で揉めている。
今まで事業にノータッチだった長男が「父親の遺言書がある。」と言い出したことで裁判沙汰に発展。
今までブランドを支えてきた三男は社長業を解任された。
しかし納得できない三男は自分を信じてくれる職人さんたちと共に飛び出して別ブランドを設立。泥沼は当分続きそう。
長男の人、今までノータッチだったのなら何で今更口を出すんでしょうね。
遺言があるから?それがどうしたの?
誰がブランドを大切に守り育ててきたかそっちのほうが大事なんじゃないの?

さてエントリタイトルは現場を歩き回ってマネジメントする、という意味。
この言葉を知ったのはある女性社長のドキュメンタリーでした。
かなりうろ覚えですがお読みいただければ幸いです。

その女性はある小さな精密機械会社の社長令嬢だった。
学校を卒業後OLをして普通の女の子の生活を満喫していた。
でもある日彼女は会社に呼び戻される。
オーナー社長である父の死によって。

何もわからず後釜に据えられた彼女は最初途方にくれたという。
そして若くど素人の社長を迎えた社員達の戸惑いも相当なものだった。
でも選択の余地は無かった。
会社は数億円の借金を抱え危機に瀕していたのだから。

やがて彼女は毎日毎日工場へ通いつめるようになった。
工場にいる古くからの職人さん達の間を歩き回って一人一人と膝を突き合わせて話をし、製品にまつわる知識を皆がどう考えているかを知ろうと必死に努力した。
だって自分は社長でこの会社を皆の生活を支えていかなくてはならなかったから。

そんな彼女の姿に周囲もどんどん心を開き打ち解けて団結していった。
「本業だけでは借金は返せない。なんとか新事業を立ち上げなければ。」
彼女は会社のある技術に目をつけた。地味だけどどこにも負けない技術があったのだ。
そしてそれを皆で数年間かけて大切に育て事業としても立ち上げ見事軌道に乗せた。
パンプスをスニーカーに履き替えて毎日現場を歩き回った彼女の努力がついに実を結んだのだ。

第一の目標である借金を返す目処もついて彼女は次の目標を立てた。
それは後継者の育成。
「高齢化が進む職人さんたちの技術を風化させてはならない。」
そう語る彼女はりっぱな社長の目をしていた。今もきっと頑張っているだろう。

「Management by Walking around」は
ここ数年注目されている会社のマネジメント方法。
彼女は誰にも教わらずにこの方法を見出した。
それが可能だったのはきっと小さい頃から額に汗して会社を支えてきたお父様の後姿を見ていたから、なんでしょうね。常に現場を愛し職人さんたちを大切にしてきたその後姿を。

「株をたくさん持っているんだから言うことを聞け。」
「金で買えないものはない。」
経営者としてどうあるべきか考える前に権利ばかり主張する経営者が多い今、
彼女の清清しい行動が思い出されてなりません。

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Comments

パチパチパチ!やんや、やんや!

今週の中吊り広告に「好かれる上司になる」だったかな。そんな見出しがありましたが、内容は見ていませんが、マニュアル一辺倒でも駄目でしょうね。結局は人の心を如何につかむかでしょうなぁ〜

Posted by: まだ | Apr 12, 2006 06:53 AM

ぐっもーにんぐ~。

まださんに教えてもらった関連サイト一通りしっかり読みましたよ。
まあなんといいますか”いかにも元銀行員”な長男の人のお約束行動には失笑を隠せません。
「金貸し」と「経営」は違うのにね。シャイロック」さんにはわかんないみたいで。

>結局は人の心を如何につかむかでしょうなぁ〜
企業は人なり。そして技術あっての企業でありブランドですよね。
三男の人には職人さんたちと頑張って欲しいです。

Posted by: shamon | Apr 12, 2006 10:01 AM

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