レイ・ブラッドベリ「草原」
VR(ヴァーチャル・リアリティ)という言葉を始めて知ったのはかれこれ15年位前。
日経BP社が出版しているコンピューター雑誌だった。
だけどその言葉は初めてでも、”それがどういうものか”子供の頃から私はずっと知っていた。
この「草原」で。
原題は「The Veldt」。ハヤカワ文庫「刺青の男」に収録。
だけど私が初めて読んだ時のタイトルは
「かべの中のアフリカ」。
福島正美さんの翻訳だった。私が初めて触れたブラッドベリ作品。
以来ずっとブラッドベリが好き。
今回文庫本を買いなおして、子供の頃の記憶を辿りながら読み返した。
あー、やっぱりおもしろい。
そして当時はただ単に怖い、としか思わなかったけれど、今読み返すとブラッドベリの先見の明にぞっとする。
VRに浸りきったあげく現実に背を向け罪を犯してしまう子供達。
その姿は虚構と現実の区別がつかない現代の一部の子供達へと重なっていく。
限りなく現実に近い虚構の世界には人を狂わせる何かがあるのかな。
半世紀前の作品なのに古さを全く感じさせない。恐るべし、ブラッドベリ。
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