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Mar 27, 2006

「トクサツナイツ」

TVをつけたらやっていた・・・(^^;。

この春からNHKハイビジョンで放送される特撮番組「生物彗星 WoO」の番宣番組(って言っていいのかな?)。
既にハイビジョンでは放送されていて今日の放送は再放送だった。
そして木曜日まで内容を日替わりで放送する。今日の特集は「円谷英二」さん。

「円谷」は「つぶらや」または「つむらや」とも読む。
「星」「小針」と並んで福島県に多い苗字です。
ぱっと見ただけでは読み方がわからない苗字の一つでしょう。
「円谷プロ」で読み方を覚えた方がほとんどでは。

今日の特集では円谷英二さんの生涯をフィルモグラフィーと元スタッフの方々のコメントと共に綴っていた。
最初は映画で特撮を、やがてTVへ進出した円谷さんは

「子供が見て楽しい番組。おどろおどろしい宇宙人でなくおかしくてかなしい宇宙人を。」

と「Woo」という宇宙人が出てくる企画を出した。
宇宙からやってきた生命体「Woo」と地球人の出会いの物語。
でもこれはイメージボード(小松崎茂氏)までできるもののお蔵入り。
そしてその代わりに世に出たのが「ウルトラQ」、そしてこの高視聴率をうけて制作されたのが「ウルトラマン」。
形は変わったものの「Woo」の”地球人を助ける宇宙人”というコンセプトはウルトラマンにしっかり受け継がれた。

円谷さんは仕事にとても厳しく昼は東宝の撮影所で働いて、夜は自分の会社で部下が作った映像を厳しくチェックされたという。時には陣頭指揮に立つ事もあったとか。

「信念を持ってやらない限りお客さんはついてこない。見てくれる方に対して失礼なことをしない。」

元スタッフの方が語っていた円谷さんの言葉である。
これぞプロフェッショナル精神ですね。

番組の最後は「生物彗星 WoO」の紹介。
40年の眠りから覚めた「Woo」を最新の映像技術でドラマ化したという。ハイビジョン制作で4/7から放送。丸っこくてかわいいキャラクターです。

30分足らずの短い番組だったけど、共に働いたスタッフの方々のコメントから円谷さんの映像表現に対する情熱と先見の明が伝わってきた。願わくばもうちょっと時間を長くしてほしかったなぁ。

ちなみに私が一番好きな円谷作品は、10年前東北で放送されていた円谷プロのCM。
柔和な年配の紳士が指揮棒を振るコンサートホール。
客席を埋め尽くすのは懐かしの怪獣たち。オーケストラの演奏と「永遠に~」と流れる歌を聞きながらハンカチで涙を拭いたり手を振る怪獣たちが微笑ましく愛らしい心温まるCMだった。

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Comments

ウルトラQやウルトラマンシリーズで円谷プロが有名でしたが、、、
やはり、「円谷」が印象付けられてのは東京オリンピックで円谷幸吉かな?

http://www004.upp.so-net.ne.jp/kuhiwo/dazai/tsumuraya.html

Posted by: Petit cervin | Mar 28, 2006 05:54 AM

おはようございます、Petit Cervinさん。

そろそろご帰国の準備でしょうか。日本は桜が花盛りでうれしいです。花粉も飛んでますが(TT)。

>円谷幸吉かな?
あー、そうだ。この方もいらっしゃいましたね。悲劇のランナーでした。

Posted by: shamon | Mar 29, 2006 08:50 AM

WoOが始まったことは、素晴らしい出来事だと私は思います。ただ、私はまだNHKのBSハイビジョンを見れる環境にありませんが。早く地上波でも放送してもらいたいと思っています。少し気になるのは、WoOが、円谷英二氏企画によるものとだけしか宣伝されていないことです。たしかにアイデアぐらいは円谷英二氏が出したでしょうが、実際は、企画から脚本を含み、パイロット版制作に至るまで、実質的な制作者は円谷英二氏の一番弟子であり、秘蔵っ子であり、かつウルトラマン、ウルトラセブンの生みの親であった金城哲夫氏であったことは まぎれもない事実でして、それなのに、金城氏が無視されてしまっているのは私には大変気になります。今日まで営々と作られ続けているウルトラシリーズの基礎・基盤を作り上げた円谷プロの歴史の中で、最も偉大な天才クリエーターであり、特撮界の手塚治虫ともいうべき人物である金城哲夫氏を無視してWoOが語られるのには、私は違和感を感じて仕方ありません。ともあれ、沖縄生まれの金城氏は、太平洋戦争末期にたくさんの人々が犠牲になった、米軍が大挙して沖縄に押し寄せて来た沖縄戦の時、米軍の空襲の中、命からがら逃げ回った戦争体験を持ち、誰よりも平和の大事さをわかり、平和な世の中を希求する気持ちの強かった人で、
ウルトラQもウルトラマンもウルトラセブンもすべて彼の平和な社会を作るためには何が大事であるかという彼なりの思想で貫かれていたのです。
彼はこう言っています。「戦争を起こすのは人間です。しかし、それ以上に戦争を起こさない努力ができるのも人間ではないでしょうか。」。
彼は、武器を使って暴力でしか物事を解決しようとしない人間を愚かであるとし、本来人間同士の問題の解決に武器などいらない、心と心で解決できるはずだと考えていました。そういう考えは、たとえば、初代ウルトラマンのメフィラス星人が登場する回などで、武力を使った暴力ではなく、心と心の戦いでの決着を描く試みをしたりしているところにも反映されています。
現実の人間社会には、人間同士がすんなり心を通じ合わせるようにはならない条件がたくさん存在し、人と人との間には、人種の違い、文化の違いも含めて、簡単には乗り越えがたい垣根や溝ができてしまっている。人種や文化が違えば、しばしば紛争や衝突が起こるし、それが、ひいては「武力を使った暴力による解決」、すなわち「戦争」に発展して行く結果となる。だからこそ、平和な社会を作る前提として、人間同士の間にある垣根や溝を取っ払って、人と人とが素直な友情と信頼で結ばれる関係を築く努力と、そういう人間同士の関係が、健やか に発展していくことを目指すことが一番大事なんだという思想が、彼の制作したものすべてに貫かれているわけです。正義というものだって、万人に直接正義として当てはまるかというと、そう単純にいくものではない。立場が違えば、一方の正義は他方の悪であり、どちらの立場が本当の正義かというのは簡単に判断できるものではない。金城哲夫氏は、怪獣というものを、はじめから怪獣が悪で人間が善との二者択一の勧善懲悪形式では、絶対に描きませんでした。置かれてる境遇や立場の違いをどう理解し合って乗り越えていけるか。すなわち「異文化間のコミュニケーション」にこそ、平和な世の中を作り上げていく重要な鍵があるといえる。ウルトラマンもウルトラセブンも、実は、地球人と宇宙人という、文化も人種も極端に異なる存在間における友情と信頼が大きなテーマでした。ウルトラマンもウルトラセブンも、単なる「正義のため」とかいった抽象的な目的のために怪獣と戦ったのではなく、共に戦う科学特捜隊やウルトラ警備隊という地球の仲間たちとの素直な友情から、そして、敵である怪獣や侵略宇宙人と人間との間に立って、時には敵の立場にも理解を示し、人間との間で板ばさみになって何が本当の正義か悩んだりもしながら戦ったのです。WoOには、その思想がもっと凝縮された形で叩き込まれていたのでして、企画から40年という歳月の後、円谷プロの若い後輩たちが、その金城氏の思いをしっかり受け継ぎ、金城哲夫の魂を現代において、見事によみがえらせたものこそ現在放映されている「生物彗星WoO」だと思います。このお話は、主人公の中2の少女、地球人神代アイと宇宙生物WoOとの間の、育った環境を超えた友情や愛情と信頼の物語です。このお話を通じて、人間同士が、理解し合い、平和に、仲良く、心を通わせて生きていくことにとって、本当に大事なこととは何かをきっと円谷プロの若い後輩たちは、今は亡き金城哲夫氏に代わってしっかり描き出してくれるものと私は信じています。

Posted by: 旧世代の一ウルトラファン | Jun 03, 2006 02:15 AM

旧世代の一ウルトラファン様

はじめまして、shamonです。
お返事が遅れましてすみませんm(__)m。

「Woo」及び金城氏についての詳しい情報をありがとうございました。
「ウルトラマン」「ウルトラセブン」は再放送で何度も見て子供心に大好きな番組でした。
金城氏の功績については私は全く知らず目から鱗が落ちる次第です。これからCSの再放送などではスタッフリスト等気をつけて観てみますね
(元々裏方好きなので)。

>心と心の戦いでの決着を描く試みをしたりしているところにも反映されています。

これは子供心に私も感じていました。
”話の芯”がしっかりしていたからウルトラシリーズは名作になったんでしょうね。
今も愛され続ける理由もそこにあるのでは。

「WoO」はこの番組の中でちらりと見ただけですが、最新鋭の映像から心温まる雰囲気が感じられました。古くて新しい、そんな感じかな。
今は何かと電子ハリボテな番組ばかりが多いですが、そういった番組とは一線を画していてくれたら・・・と願います。

Posted by: shamon(旧世代の一ウルトラファンさんへ) | Jun 05, 2006 05:14 PM

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