「天国の青い蝶」
1987年、余命いくばくもないと宣告された少年が昆虫学者とともに中米の熱帯雨林へと旅立った。少年の願いは死ぬ前に世界で一番美しい蝶”ブルーモルフォ”を観ること。病気のため満足に歩けない少年は昆虫学者に肩車してもらって蝶を探す。そして必死の少年の前に奇跡は突然舞い降りる。「天国の青い蝶」は実話を基にした映画である。
公式サイトはこちら。既に公開が終っているのでDVDで観た。
後半ちょっと話を作りすぎたきらいはあるけれど、映画としてはこういうラストしかなかったのかなと思う。とはいえ少年と昆虫学者の心のふれあいがしんみりとさせ、余命いくばくもない息子を見守る母親の姿が痛々しくも美しい。画面に映し出される熱帯雨林の瑞々しい風景はその場の空気が匂ってくるような美しさ、大画面で見なかったのが悔やまれる(笑)。そしてまた劇中には素敵なエキストラがたくさん登場する。ひょうきんなアリクイにいるのかいないのかわからないナマケモノ(笑)。極彩色の鳥が画面を彩り、大きな目がかわいいカメレオンや珍しいカエルたちが笑いを誘う。圧巻はブルーモルフォを初めとするたくさんの美しい蝶だろう。色とりどりに画面を舞う姿は桃源郷へと観る者を誘ってくれる。
「森は全ての魔法」
少年と心通わせるかわいい現地の少女の言葉だが、映像の美しさにそれを実感することができた。あふれんばかりの自然の魔法は何も変えがたい地球の財産。この森がいつまでも変わらずにあることを心底祈った。
少年のモデルとなった男性は、この旅行の後脳腫瘍が消えたそうだ。今では元気に暮らしていてこの映画のキャンペーンのためにも来日した。
生きようとする気持ちと願いはどんな薬よりも効くのだろう。今この瞬間にも必死に生きようとする人々にそれぞれの奇跡が起こることを祈りたい。
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