「戦国自衛隊1549」(ネタバレあり)
原案は半村良、これを元に「亡国のイージス」「終戦のローレライ」で有名な福井晴敏氏が新しい物語に仕上げ映画化。公式サイトはこちら
本日、自宅から一駅のシネコンで鑑賞してきた。映画館の中にはミリタリーマニアらしき男性の姿をちらほら見かけた。やはり人気があるらしい。
下記に簡単にレビューを述べておく(敬称略)。ネタバレがありますので、未見の方はご注意ください。
まずお断りしておくが、前作映画を見ているためいささか見る目が厳しいかもしれない。
が、正直
「劇場映画というよりはTV放映用ではないか。」
と思った。
自衛隊が全面協力とのことだが映像には今ひとつ迫力がなく、CGとの合成シーンでは非常に違和感が感じられた。終盤のCGは「阿修羅城の瞳」の使いまわし?と言った感じすらあり、大画面で見るほどの映像クオリティではない。
肝心のストーリーは、導入部はいいのだがその後がもたつきすぎ。人間関係も詰め込みすぎて散漫になっている。骨太なドラマを描くのなら濃姫と七兵衛、的場と神崎の関係はいらなかったのではないか?前者はとってつけたような感じだし、後者は終盤で「パトレイバー2」の柘植と南雲を連想させて私は椅子の上でずっこけた。他の人物もその正体について「実は・・・・だ。」が多くて、興ざめ。
そして全編を通じ俳優たちの間に力の差がありすぎて観る側としてはイライラした。
的場役の鹿賀丈史や斉藤道三役の伊武雅刀はさすがの存在感。でも他の俳優たちが今ひとつ。主人公鹿島役の江口洋介はなかなかの好演だったけど気迫が今ひとつ伝わってこなかった。これはかなり残念。神崎玲役の鈴木京香もヒロインとしては弱すぎる。頑張っていたのは北村一輝。「大奥」とは違う武士役で立ち回りも上手い。濃姫役の綾瀬はるかは可憐だが武家の姫の凛とした感じがない。台詞を言うのが精一杯ってのは聞いてて疲れます。前作の記憶は朧だが、もっとしっかりした役者が揃っていたのではと思う。役者のレベルが全体的に下がっているんだろうか。
結論としては「たいしたことはない作品」。DVDを待てばよかったと思う(爆)。
最後に1つ。この映画はファンドで資金調達したらしくそのファンドの名前がエンドロールに登場していた。さんざんこきおろしておいて言うのは何だが、かかった制作費が回収できる程度にはヒットして欲しい。クリエイターたちにもっといい映画を作ってもらうためにも観る側は投資しないとね。
Comments
リメイクですね。
角川60周年記念、久々の大作映画?
えてして、そういうふれ込みの映画はコケル事が多いですよね。
役者だけ揃えて、中身がないとか。記念作というプレッシャーに負けて、そつなくまとめてしまうとか。リアルな銃火器に制作費の大半をつぎ込んでしまうとか。
あぁ、見なくても何となく内容が想像できる映画なんて…、やっぱりレンタル向きでしょう。(決して映画館に行く資金がない訳ではない・笑
Posted by: 酎犬八号 | Jun 16, 2005 11:03 PM
酎犬八号さん、わざわざのお越し感謝です~。
この作品はほんとレンタルで十分です。レディースデーで1000円で観たからこの程度のこきおろしで済んだってのが実感です^^;。CGの下手さにマジで「IGに頼んだら?」って思いましたわ^^;。半村良が泣いてるぞ(涙)。
「イノセンス」を観てるとたいがいのCGがチャチに見えるのは仕方ないにしても、役者と脚本がね・・・。声だけの演技とはいえ「パト2」榊原良子さんと「攻殻2ndGIG」田中敦子さんの凄さを改めて認識しました。
Posted by: shamon | Jun 16, 2005 11:36 PM
コメントありがとうございました。
>北村一輝。「大奥」とは違う武士役
一番おいしい役だったのみたいですね。
>「たいしたことはない作品」。DVDを待てばよかったと・・
あまりDVDは見ないので、多分・・DVDなら見ない作品だともいます。
Posted by: たいむ | Jun 17, 2005 08:34 AM
いらっしゃいませ、たいむさん。
>一番おいしい役だったのみたいですね。
いっそのこと彼を主役にしたほうがよかったのでは?と思っちゃいましたよ。TVドラマでもインパクトがある人でしたので。
Posted by: shamon | Jun 17, 2005 06:41 PM