「人の心はタイムマシン」
今、「エターナル・サンシャイン」という映画が公開されている。
別れた恋人の記憶を消してしまおうと医者のところに記憶を
消去しに行く青年のお話。私は未見だが評判はよいようだ。
この映画、平井和正の「人の心はタイムマシン」というSFに
内容がよく似ている。もっともこっちは30年近く前に発表された
作品なのでハリウッドが参考にしたとは考えられない。
たまたま脚本家が同じことを考えついたのだろう。
平井和正といえば「幻魔大戦」や「ウルフガイシリーズ」などの
バイオレンスでややエロチックなイメージの長編小説が多い。
でも「人の心~」はとても同じ作者とは思えない雰囲気の
わずか6頁の美しいジュブナイル(今のライトノベル)だ。
誰もが経験する思春期の初恋がモチーフで、少々怖い
描写もあるが、ラストの一文できれいにまとまっている。
収録されているのは「美女の青い影」(角川文庫)。
カバーと中のイラストは生頼(おうらい)範義氏。
『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』のポスターを描いた方である。
もう廃刊になっているようだがブックオフやアマゾン等でまめに
探せば見つかるだろう。
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